『北斗の拳』ラオウに『刃牙』範馬勇次郎…ケタ外れの威圧感から“巨大”に描かれがちだった「最強格キャラ」3選の画像
『北斗の拳【究極版】』(徳間書店)10巻

 少年漫画の醍醐味といえば、主人公を阻むように登場する強キャラの存在だろう。その圧倒的なオーラと威圧感は、ときに作画にまで影響を及ぼす場合もある。

 今回は存在感が強すぎるがゆえに、漫画上でも巨大に描かれがちだった少年漫画の「最強格キャラ」たちについて、いくつか紹介していこう。

■カリスマ性が愛馬すら巨大化させる『北斗の拳』ラオウ

 『週刊少年ジャンプ』(集英社)で1983年より連載を開始した名作バトル漫画『北斗の拳』には、北斗神拳の伝承者である主人公・ケンシロウの前に数々の強敵たちが立ちはだかり、激闘を繰り広げた。

 作中屈指の強敵といえば、ケンシロウの兄であり、ともに北斗神拳を学んだ4兄弟の長兄・ラオウだろう。世界が核戦争で荒廃して以降、ラオウは自身で「世紀末覇者拳王」を名乗り、恐怖と暴力を用いて人々を制圧し続けていた。

 公式設定でも210センチと高身長なのだが、劇中での彼の体躯は明らかにそんなサイズに収まらず、拳一つが男性の頭部をすっぽりと覆い隠し、ときには腕の長さだけで成人男性の身長と同等に達したこともあった。

 ラオウが持つ威圧感を受け継いだのか、彼の愛馬である黒王号も巨大化の一途をたどり、その蹄で人間を踏み潰す場面も登場する。作中でも圧倒的な実力と威圧感から悪のカリスマとして成長していくラオウだが、彼の持つ強烈な存在感が見る者にその姿をより大きく、偉大に錯覚させたのかもしれない。

■「地上最強の生物」は伊達ではない!『刃牙』範馬勇次郎

週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて現在も連載されている格闘漫画『刃牙』シリーズ。本作では、主人公・範馬刃牙がさまざまな格闘家との激闘を経て成長し「地上最強とは何か」というテーマを追い続けていく。そして、そんな刃牙の父・範馬勇次郎こそ、作中最強の“ラスボス”として描かれている。

 勇次郎は、通称“地上最強の生物”と称され、格闘家だけでなくあらゆる「生物」の頂点に立つカリスマとして君臨している。獅子のような赤く逆立った髪と黒一色のコスチューム、そしてなにより「オーガ(鬼)」と称される戦闘に特化した肉体が、対峙する者を震え上がらせるのだ。

 常日頃から禍々しい闘気を放っている彼だが、推定身長は190センチ程と目立って巨大というわけではない。だが、その強すぎる威圧感からか、作中ではほかのファイターたちを圧倒する体躯として描かれる。とくに彼が両手を広げ、独自の構えをとるシーンでは、その実力差を表すかのように巨人の如き身の丈で、相手を上から威嚇するのである。

 強さへの異様なまでの自負心から、数々の名言、名シーンを残し続けている勇次郎だが、回を追うごとに強烈になっていくその存在感は、もはや『刃牙』シリーズの見どころの一つともいえるだろう。

  1. 1
  2. 2