9月30日から公開が始まった永野芽郁主演の映画『マイ・ブロークン・マリコ』。永野演じる主人公の会社員・シイノトモヨが、亡くなった親友イカガワマリコの魂を救うため、遺骨を家族から奪取し、遺骨とともに旅に出るさまが描かれたロードムービーだ。
原作は平庫ワカ氏による同名漫画。4話からなるコミックス1冊で完結する漫画だが「このマンガがすごい! 2021」オンナ編第4位を獲得するなど、実写化前から大きな話題を集めていた。
『マイ・ブロークン・マリコ』以外にも、1巻完結のコミックスが原作ながら、実写映画で高く評価を集めた名作漫画がある。
そもそも実写化される漫画作品は、概ね複数巻にわたってコミックス化されている作品である。そんな中でも単巻ながら実写化される作品は、青年向けや女性向け、BL作品が多い傾向にあるようだ。
たとえば、月9で実写化され大ヒットした『失恋ショコラティエ』や『脳内ポイズンベリー』の原作者である水城せとな氏によるBL漫画『窮鼠はチーズの夢を見る』がそうだ。同作は2022年9月に大倉忠義と成田凌主演で実写化映画化されており、原作は続編があるがコミックス1冊で読める作品だ。
流されやすい性格で、妻のいる異性愛者にも関わらず不倫を繰り返してしまう大倉演じる大伴恭一と、彼を思う大学時代の後輩でゲイの成田演じる今ヶ瀬渉の交流を描いた物語で、全編を通してしっとりとした画面の美しさが魅力。女性も絡んだ複雑で奇妙で一筋縄ではいかない三角関係が、登場人物たちの歯がゆさや切なさを増幅させる。
同作は「見ていると苦しい」「泣けるほど美しい」と人気を集めた。