『週刊少年ジャンプ』(集英社)での連載開始から35周年を迎え、本編のアニメ化やスピンオフ作品の実写化など、まだまだ幅広い広がりを見せる荒木飛呂彦氏の人気マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』。
荒木氏の卓越した画力によって描かれるキャラクターたちは、ときに我々の常識では測りきれないあまりにも奇抜な恰好で登場する。今回は『ジョジョ』のなかでも、見た目のインパクトが強い奇抜すぎるキャラについて見ていこう。
■奇抜さが気にならないほど絶望的に強い「ヴァニラ・アイス」
第3部の終盤、数々の激闘を乗り越えてついに宿敵・DIOの館にたどり着いたジョースター一行。館のなかを分かれて進む仲間たちの前に姿を現したのが、DIOの配下にして最後の刺客であるヴァニラ・アイスだった。
DIOに病的なまでの忠誠を誓う彼は、一見、長髪で筋肉質なイケメンともとれる。だが、よくよく見ると『ジョジョ』屈指の奇抜なファッションセンスを持っていることが分かるだろう。
なにせ、ノースリーブベストのようなジャケットの下は、ぴったりしたレオタードしか身にまとっておらず、筋肉質かつ体毛ひとつない綺麗な生足がスラっと伸びているのだ……。さらに、着けているアクセサリーもハートマークだらけで、強そうな見た目とのギャップも相まって、そのセンスはどうにも理解し難い。
ギャグテイストのないいたって真面目なキャラなのだが、その奇抜すぎる見た目に目が行ってしまう読者は多かっただろう。
一方でスタンド「クリーム」の圧倒的能力と、徹底してDIOを崇拝する異常な精神性から一行を大いに苦しめた作中屈指の強敵でもあるヴァニラ・アイス。奇抜な恰好が気にならないほど、凶悪さが色濃く脳裏に焼き付いたキャラでもある。
■頭のソレは髪なのか? 骨格なのか?「矢安宮重清」
第4部では舞台が日本に移ったことで、登場人物も学生服やスーツ姿など比較的違和感のない恰好になった『ジョジョ』。しかし、そんな日本の街中にも本作ならではの奇抜な恰好のキャラが存在していた。
ぶどうヶ丘中学校に通う学生・矢安宮重清は、周りから「重ちー」と呼ばれて慕われるどこかドジでおっとりした性格の少年だ。語尾に「だど」とつけたり「ししっ」と笑うなど、独特の癖を持っていたりもする。
服装こそ少し改造気味の制服ではあるのだが、彼の注目すべき点はその頭部だ。作中で見る限り、彼には髪が生えておらず、頭部には謎の「トゲ」のようなものがびっしりと付いているのである。その姿はさながら果物のドリアンのソレだ。アニメやゲームなどではこのトゲはすべて肌色であることから、恐らく髪の毛ではなく頭の骨格そのもの(!?)だと思われる。
劇中では群体スタンド「ハーヴェスト」を使い活躍する名脇役ではあるものの、常にその特徴的すぎる頭部に目が行ってしまう。見た目が奇抜なキャラの一人であることは、間違いないだろう。