■鯉登少尉の大きな転換点!?「バルチョーナク」のシーンはどう描かれるか?

 アニメ第3期のラストでは月島が重傷を負わされたことに激昂するという、部下想いの一面も見せた鯉登。「よくも…私の部下たちをッ」と叫んでキロランケと死闘を繰り広げる姿、飛んできた手榴弾を空中で真っ二つに斬った冷静な表情からも、成長の気配が大いに感じられた。

 そんな彼にとっての決定的な転換点といえるのが、尾形に「バルチョーナク(ロシア語で“ボンボン”というような意味)」と言われた瞬間である。原作ではこの一言をきっかけに鯉登の過去回想が挟まれ、彼自身がとある“気づき”を得る……といった流れだ。

 しかし、先日放送されたアニメ1話目はこの通りではなかった。“バルチョーナク”の発言自体は第3期のラストで出てきたのだが、そのまま次の場面へと移っており、第4期がはじまった時点でも鯉登の過去については触れられていない。

 アニメではこれまでもエピソードのカットや入れ替えがされていたため、鯉登の過去や成長についても原作とは違う形で描かれるのかもしれない。鯉登という人間をより深く知るために欠かせない鯉登の過去回想を、ぜひとも映像でも見てみたいと思う。

 ちなみに順当にいけば、第4期では鯉登と月島の関係性も大きく変わることになる。それまではお坊ちゃんと世話役のような印象だった2人が、若き士官と補佐という本来あるべき姿になっていく。そのあたりにも注目して見てみると、より『ゴールデンカムイ』を堪能できるだろう。

 

 最初は少々“残念な子”っぽい印象があったが、物語が進むごとにどんどん成長していく鯉登。元来の圧倒的光属性に頼もしさが加わり、神々しく見える場面すらあるくらいである。アニメ第4期でどんな活躍を見せてくれるのか、原作ファンとしても楽しみでならない。

  1. 1
  2. 2