■ガンダムとザクの壮絶な一騎討ち！
『機動戦士ガンダム００８０ ポケットの中の戦争』に登場した“アレックス”ことガンダムＮＴ-１とザクII改の戦いも、絶望的な性能差を埋めた名バトルである。
この戦闘では、ザクII改で最新鋭のガンダムに挑むことになったバーナード・ワイズマン（バーニィ）の用意周到な作戦が光った。まずアレックスは、爆発的な成長を遂げるアムロ・レイのために用意された高性能機体。そのためまともに扱えるパイロットはおらず、作中ではテストパイロットのクリスチーナ・マッケンジー（クリス）が乗りこむことになる。
また武装はほとんど揃っておらず、コロニー内ではビームライフルなどの強力な武器も使用できない。さらにアレックスには直前のケンプファー戦で受けたダメージも残っており、これらの要素を加味して、バーニィはコロニー内でのゲリラ戦を挑んだ。
森の中に誘いこみ、ダミーバルーンのトラップで狙いを撹乱。バルーンを撃った隙を突いて接近戦にまで持ちこむ。しかし、かなりのダメージを与えながらも圧倒的に性能が上のアレックスを倒すには至らず。逆にビームサーベルでコクピット付近を貫かれたザクII改は大爆発を起こし、バーニィは壮絶な戦死を遂げた。
しかし、バーニィがアレックスに与えた被害も小さくなく、結果的にガンダムＮＴ-１はアムロの手に渡ることはなかった。ザクII改と最新鋭のガンダムＮＴ-１の絶望的なまでの性能差を考えたら、バーニィの戦いぶりは大善戦と言えるだろう。
機体性能の高さ＝強さなことの多いガンダム世界だが、一部のパイロットはそれを覆すこともある。今回挙げた以外にも、量産機ではないが百式に乗ったクワトロ・バジーナが、ハマーンのキュベレイとシロッコのジ・Ｏの猛攻を凌いだ戦いも、格上の機体に善戦した好例だろう。あなたにとって下剋上を果たしたガンダムのバトルといえば、何を思い浮かべるだろうか？
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