アニメの中では、同一作品の中で同じ声優が異なるキャラの声をあてることがある。これは兼ね役(かねやく)と呼ばれており、エンディング曲中のクレジットを見て「同じ人の声だったの?」と驚かされた経験のある人も多いのではないだろうか。
特にモブキャラクターの声を務める新人声優や、90年代のアニメによく見られた光景であるが、声優たちの声の演技の変幻自在さには感動すら覚える。
今回はそんな、同一作品内で複数のキャラの声を当てた声優たちのスゴ技っぷりを紹介したい。
■ペンペンと綾波、ボンクレーとフランキー
まずは『新世紀エヴァンゲリオン』。ヒロインの1人・綾波レイ役の林原めぐみは、主人公シンジの母親である碇ユイの声もあてている。
ここまでは知っている人も多いだろうが、実は林原はエヴァ初号機が暴走した際の声も担当している。これはユイが初号機に肉体ごと取り込まれて同一化しているという設定を考えれば納得。加工された声ではあるが、ストーリーとも相まってこの設定には感動すら覚える。
これだけではない。林原は葛城ミサトの飼っている温泉ペンギン・ペンペンの声も担当している。物語の中でも重要なキャラを4役もこなす林原はスゴすぎる。
また、『ONE PIECE』で麦わらの一味の船大工・フランキーの声を務める矢尾一樹も、フランキーが登場する前から同作でジャンゴとボン・クレーの声を務めていた。八尾が麦わらの一味になったのはアニメプロデューサーからの進言のようで、さらにフランキーというキャラは原作者の尾田栄一郎氏と親しい矢尾自身がモデルなのだという。
『ONE PIECE』ではこのほかにも声優が複数のキャラクターをかけもちすることが多く、麦わら海賊団の誰かが声を当てたモブキャラはクレジットに「粗忽屋○○店」という別名義で記載されるのだそう。探してみると楽しいかも?