■これがクモの巣だ! 圧倒的な機動力を誇るヤザン隊
続いて紹介するのは『機動戦士Zガンダム』に登場した「ヤザン隊」だ。ティターンズのヤザン・ゲーブル大尉によってグリプスから呼び寄せられた、ラムサス・ハサ、ダンケル・クーパーの3名からなるチーム。
高機動MS「ハンブラビ」を使いこなし、ヤザン、ラムサス、ダンケルの連携で多数の敵機を撃墜し、エゥーゴに大きな打撃を与えている。
ヤザンは金髪リーゼントに鋭い目つき、ムキムキの肉体という威圧感あふれる見た目と、“野獣”と称されるほどの激しい性格の持ち主だが、意外と後輩思い。戦場に慣れていない部下に「戦場ではビビった者が死ぬんだ、覚えておけ」と気合を入れつつも気を配るようなシーンもあった。
そんなヤザンは、チームメンバーのラムサス、ダンケルからの信頼も厚く、息の合った三位一体の攻撃が特長。ハンブラビの独特の武器「海ヘビ」により、3機のワイヤーネットで作る「クモの巣」でZガンダムを捕まえ、行動不能に追いこんだ場面も印象的だ。
3人組のチームとはいえ、卓越した操縦技術を誇るヤザンが注目されがちだが、ラムサスやダンケルも部隊初出撃で連携を決め、決して乗りやすい機体とは言えないハンブラビを乗りこなしたことからも高い技量を持っていたことは明らかだ。
■『ガンダムSEED』の愛されチーム? 個性爆発「ブーステッドトリオ」
『ガンダムSEED』シリーズには「アストレイ三人娘」や「エクステンデッドトリオ」、ドムトルーパーでジェットストリームアタックを敢行したヒルダ、ヘルベルト、マーズのトリオなどもいて、ある意味3人組チームの激戦区と言える。
その中で注目したいのが、『機動戦士ガンダムSEED』に登場したオルガ・サブナック、クロト・ブエル、シャニ・アンドラスからなる「ブーステッドマントリオ」だ。
これまで紹介した2組と違い、「ブーステッドマントリオ」に息の合った連携や協力技などはなく、個々で敵をせん滅しようとする点が異なる。その理由としては脳にマイクロチップを埋めこむなどの外科措置、投薬、マインドコントロール等が施され、コーディネイター以上の身体能力を獲得、さらに戦闘中は恐怖心を消失し、凶暴性を発揮するように調整されている点が挙げられる。つまり戦闘能力は非常に高いが、つねに不安定な精神状態にあるのだ。
そんな戦闘狂たちによるトリオは悲しい境遇も相まってどこか憎めない存在であり、登場するたびに「今回はどんな暴れっぷりを見せてくれるんだろう」とワクワクさせられた。ファンの間では「三馬鹿」の愛称で親しまれ、凶暴な敵でありながら目が離せないキャラであることがうかがえる。
なお、公式でも「三馬鹿」はネタにされていて、『新約SDガンダム外伝 救世騎士伝承』には、この3名がモチーフのガンダムが登場。その名も「サンバ・カ・ガンダム」なので、「三馬鹿」の愛称はもはや公認とも言える。まさにガンダムシリーズでトップクラスの愛されトリオなのだ。
今回は紹介できなかったが『機動戦士ガンダムZZ』の「ガザの嵐隊」、『機動戦士ガンダムAGE』の「ファントム3」など、さまざまなトリオが活躍。チームメンバーの絆が描かれるなど、戦闘面以外でも作品を彩ってくれる存在だ。皆さんにとって一番印象に残っているトリオはどんなチームだろうか?