ガンダムシリーズには個性豊かなキャラクターたちが登場し、その人間関係から生まれるドラマは私たちを夢中にさせてくれる。その中で描かれる名コンビや、ライバルといった関係性のほかに、“3人組のトリオ”もガンダムにおいては定番ポジションと言えるかもしれない。
そんな3人組の小隊が繰り出す、息の合った連携プレイや合体技に主人公が苦しめられるのは、ある意味“お約束”と言える展開。だが物語を盛り上げてくれるという意味で、けっこう欠かせない要素だ。そこで今回は、これまでのガンダムシリーズの中で個人的に印象に残った“トリオ”を紹介させていただく。
■すべての原点? 代名詞のジェットストリームアタックは語り草に!
ガンダムシリーズでもっとも有名なトリオと言えば、初代『機動戦士ガンダム』に登場した「黒い三連星」ではないだろうか。ガイア、オルテガ、マッシュの3名からなるチームで、テレビアニメの作中ではドムに乗ってアムロのガンダムに挑んだ。
専用カラーの黒に塗られた機体(ドムはもともと黒いが)と、息の合ったコンビネーションで知られる「黒い三連星」は、代名詞とも言える「ジェットストリームアタック」という戦術を繰り出す。3機のMSが縦一列に並び、死角から波状攻撃をしかける戦術で、有視界戦闘がメインとなるガンダム世界のMS戦では非常に有効な戦法だ。
ガイアの「俺を踏み台にしたぁ!?」というセリフが有名になりすぎて、ジェットストリームアタック=やられ役の技と思われがちだが、マチルダのミデアによる横槍が入らなければガンダムを仕留めた可能性すらあるコンビネーションだった。
そもそも黒い三連星は、ジオン軍を代表する歴戦のパイロットで構成されており、最新の重MS「ドム」が与えられているのもそのため。ルウム戦役ではレビル将軍の身柄を拘束するという、非常に大きな功績を挙げている。
テレビ版では2回目のジェットストリームアタックを敢行した際、ガンダムのビームサーベルでコクピットを貫かれたマッシュが戦死。生き残ったガイアとオルテガは、オデッサ攻防戦の前に二人だけで弔う場面があり、指揮官のマ・クベから「作戦は開始されているんだぞ」と叱責される。これにガイアは「敵討ちはさせてもらう」と答え、マッシュとの強い絆が感じられた。
結局アムロのガンダムの前に敗れ去った黒い三連星だが、ホワイトベースに攻撃をしかけたドムの迫力や、ジェットストリームアタックのインパクトもあり、多くのガンダムファンの心に残る3人組となった。