『キングダム』この男“いぶし銀”…!信を陰ながらアツく支える「飛信隊」の名バイプレイヤー3選! 我呂、楚水、松左の魅力とはの画像
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 実写映画の第2弾『キングダム2 遥かなる大地へ』が今年7月に公開され、シリーズ累計興行収入が100億円を突破するなど、まさに“飛ぶ鳥を落とす勢い”の原泰久氏の漫画『キングダム』。

 今回はそんなキングダムのなかでも、主人公・信が率いる”飛信隊”において、一見活躍は目立たないものの、部隊には必要不可欠な“いぶし銀”と感じる隊員を紹介する。武功を重ね、派手な活躍をするキャラにスポットライトが当たりがちだが、名バイプレイヤーである彼らの渋い活躍にもこの機会に注目してほしい。

■空気を読まない言動(!?)で隊の士気を高める「我呂」

 元麃公軍所属で、信率いる「飛信隊」が三千人隊になった際に合流した「我呂」は、物怖じせず、自分が納得できないことにはちゃんと意見する性格。

 作中、軍師の河了貂が人質に捕られた際、古参隊員が奪還に息巻くなか「いくら軍師とは言え 河了貂一人のために何百何千の命を失う賭けに出んのかよ」「一、二年の付き合いの俺らにとっちゃ納得しづれェー」と、空気を読まない(!?)発言をする。さらにその後、「みんな何でか触れねェようにしてっけどよォ」「河了貂ってお前の女なのか?」と、動機の深さについて、隊長である信に単刀直入にツッコむのだ。

 それに対し「あいつはもう 俺の身内…たった一人の妹みたいなもんだ」と自分の思いを打ち明ける信。それを聞いた我呂は「フッ…了解だ」と即座に納得し、人質交換へと望みを繋げることに。

 隊員たちのなかには、我呂と同じような疑問を持っていた人がいたかもしれない。しかし、この我呂のツッコミと信の返答を聞けたことで、隊員の意識はよりいっそう一丸となれたと思う。

 相手が隊長だろうと納得のいかないことには”否”を突きつける存在により、団結力が高まる場面は存在する。我呂には、今後も臆せずにズケズケと物言いをしてもらいたいものだ。

■万能型で有能! 深い忠誠心がアツい「楚水」

 2人目に紹介するのが、もとは郭備千人隊の隊員だった「楚水」だ。郭備らが暗殺され、軍が再編成された際、臨時千人隊になった飛信隊に郭備隊は合流する。

「俺らみてェな百姓部隊にくっつけられて頭来てんじゃねェのか?」と戦々恐々としていた飛信隊だったが、「元郭備隊七百名 信千人将に向かって」「拝手!!」と、初っ端から深い忠誠の心を見せた郭備隊。

 実は生前、郭備は同じ下僕出身の信の噂を聞き、陰ながら応援していた。そのことを信に伝えた直後に暗殺されたのだが、副長だった楚水は日頃からそれを聞かされていたからこそ、敬愛する郭備が目をかけた信を手放しで信頼することができたのだろう。

 さらに楚水は、「道半ばで倒れた郭備様の想いも胸の片隅に抱いて戦うことをお許し下され」と、心のうちを信に伝える。「……当然だ」と受け止める二人のシーンは数ある名シーンの一つだ。

 合流後、すぐに副長のひとりに任命された楚水。役割としては羌瘣とともに作戦の立案や配給等の後方支援をしたりと、まさに”縁の下の力持ち”として活躍する。

 郭備と信がともに戦う姿が見られなかったのは残念でならないが、今は亡き郭備の遺志とともに戦う楚水はカッコ良すぎる。大物相手に負傷はするも討ち取られることなく、”不屈の男”として何度も前線に復帰する姿、まさに“いぶし銀”ではないだろうか。

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