■ウソップとカヤ

 物語の序盤に登場したウソップとカヤも、個人的にはお似合いだと思う2人だ。ウソップの故郷であるシロップ村に暮らす富豪令嬢のカヤと、海賊の子どもで嘘つきとして有名なウソップは一見不釣り合いに見える。だが、ウソップは病弱なカヤのためにこっそり屋敷に忍びこみ、得意のホラ話でいつも笑顔にさせていた。まるでロミオとジュリエットのような表立って会えない関係だったが、2人の間にはたしかな絆があった。

 そして大富豪であるカヤの命や財産が狙われた事件が起こり、ウソップやルフィたちに救われたカヤ。そのままウソップは故郷を離れ、ルフィたちと旅立っていく。

 その後、医者になるという目標を掲げたカヤは、440話で“そげキング”として懸賞金が書かれた手配書を見て「ウソップさんだわ!」と即気づき、「ウソップさんが傷ついて帰って来ても全部治してあげられる様になってなきゃ!!」と発言。そのカヤの言葉を聞いたウソップ自警団のメンバーは「いいなーキャプテン」「カヤさんを不幸にしたらなぐろうぜ」と、彼女から大切に想われているウソップを羨んでいた。

 また623話の扉絵には、医学生になったカヤが登場。お金持ちそうな男性陣がカヤの気を引こうとしている中、当のカヤは勉強に夢中で見向きもしない姿が描かれている。医者になり、ウソップを癒やしてあげるという夢を叶えようと全力な姿勢がうかがえるカットだった。いつかカヤの夢が実現する日が訪れて欲しいものだ。

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