■「俺がガンダムだ」のセリフは伊達じゃない?

 次は『機動戦士ガンダム00』の主人公である刹那・F・セイエイだ。彼はまずイノベイターである点が大きい。脳量子波を操ることで超人的な反射速度を獲得しており、生身で戦うのなら大きなアドバンテージとなる。仮に刹那がボクシングをしたなら、並のボクサーのパンチはかすりもしないだろう。

 またイノベイターは身体能力も常人とはかけ離れており、筋力や肉体的な強度も高い。このあたりからも、刹那の身体的な強さはガンダムの歴代主人公の中では、おそらくドモンを除けば最高レベルのはず。それに加えて彼は、戦闘経験も豊富だ。

 幼少期から少年兵として戦争に参加しており、銃火器の扱いや身のこなしも十分心得ている(その割には1stシーズンではMS戦の射撃技術は微妙だったが……)。作中では、無人の殺戮兵器オートマトンから生き延びるなど、随所で実戦経験の豊富さがうかがえた。

 極めつけは『劇場版 機動戦士ガンダム00』だ。異星の機械生命体ELSと対話を重ね、最終的にはELSと融合してしまっている。イノベイターどころか、人間という枠すら超えてしまった刹那の生身の戦闘力は、歴代主人公の中でも屈指の実力だろう。

■高層ビルから落ち、ガンダムの自爆に巻き込まれても生還

 最後に紹介するのは、もはやギャグマンガレベルの驚異のタフネスぶりが描かれた『新機動戦記ガンダムW』の主人公ヒイロ・ユイ。ヒイロは「オペレーション・メテオ」と呼ばれる地球圏統一連合に対するテロ活動に、ガンダムパイロットとして参加している。

 特殊な訓練を積み重ねてガンダムパイロットに選ばれたヒイロだが、作中での超人的な描写にはすさまじいものがある。高層ビルから落下しても軽く骨折した程度で、その骨折も地力で無理やり治療。鉄格子を素手でこじ開けたかと思えば、ウイングガンダムの自爆に巻きこまれても生存している。とくにガンダムとともに自爆しながら生き残ったのは、さすがに人間とは思えないタフさだ……。

 ちなみにガンダムを自爆させた際のヒイロは、タンクトップとハーフパンツのみという格好。ほぼ裸と変わらない姿で至近距離の爆発を受け、そのうえ全高約16メートルあるウイングガンダムのかなり高い位置から落下しているのだ。ふつうなら遺体が残れば御の字といった大惨事ながら、なんとヒイロは左腕から血を流す程度で生還するのだから驚きだ。

 先ほどイノベイターの刹那・F・セイエイは常人以上の肉体的強度があると紹介したが、もしかするとヒイロの肉体の強靭さはそれ以上かもしれない。


 今回紹介した以外にも、コーディネイターのキラ・ヤマトも作中では大立ち回りを見せているし、アムロ・レイも生身の格闘戦で軍人のシャアと互角以上に渡り合った。モビルスーツパイロットとしての技術もさることながら、生身の戦闘力もガンダムの主人公には必須なのかもしれない!?

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