■暗殺一家の一員!生涯現役を謳う凄腕の暗殺者
続いては、『HUNTER×HUNTER』に登場するゼノ=ゾルディック。1998年から『週刊少年ジャンプ』で連載されている同作。2018年11月以降は長期休載中となっているが、冨樫氏がツイッターで連日最新話の執筆状況を報告しており、連載再開&コミックス発売が期待されている。
ゼノは暗殺一家ゾルディック家の一員で、当主は息子であるシルバに譲ったものの「生涯現役」の刺繍が施された服を着用する67歳の凄腕暗殺者。著名な犯罪者である幻影旅団の団長・クロロ=ルシルフルと一騎打ちし、互角以上の戦いを見せた(厳密にはシルバが後方でクロロの隙をうかがっていた)。
その際は、クロロの念能力や狙いを瞬時に判断しており、戦闘能力の高さだけではなく読みの鋭さも披露している。暗殺者であるが「暗殺はあくまでビジネス」とし、不要な殺生は好まない。あくまでもクールで、実力をすべて見せないところが渋い。またキルアには少し甘かったり、たまに見せる普通のおじいちゃんな姿も見逃せない。現在キルアはメインストーリーから離れているが、この先の展開でゼノが絡んでくるかどうか、気になるところだ。
■人類最強の念能力者?年齢不詳のハンター協会会長
最後は、ゼノと同じく『HUNTER×HUNTER』に登場するアイザック=ネテロ。ネテロはハンター協会の会長を務めており、全ハンターのトップに君臨する存在といえる。
その御年は不明。67歳のゼノが「ワシが乳飲子の頃からジジイ」と発言しているため、相当な年齢だと考えられるが、ネテロ本人は20年ほど前から自身を約100歳と言っているらしい。
そんなネテロだが、有名なエピソードである「感謝の正拳突き」で若かりし日が語られる。自らの武術に限界を感じ、悩んだネテロがたどり着いた答えは己を育ててくれた武術への感謝。山にこもって1日に1万回の正拳突きを行うという行動だ。
最初は1万回に達するまで18時間を要していたが、最終的には1時間を切るように。その拳はあまりの速さに達し、衝撃音があとから聞こえてくる音速を超えるレベルとなった。「音を置き去りにした」と表現されており、現実世界では発生し得ないぶっ飛んだ内容で、当時は「おお……」という言葉しか出なかった記憶がある。
このスピードはネテロの念能力「百式観音」に活かされ、技の速度や多彩さにつながっている。作中最強クラスのキメラアントの王メルエムですら、完全回避はできなかった。このときの真剣なネテロは、初登場時のお茶目な性格ではなくなっていたのでかなり驚かされた。
冨樫氏の作品に登場する老人キャラクターは、ほかのマンガに比べてもとんでもない強さを持っているケースが多い。ほかにも『HUNTER×HUNTER』には、リンネ=オードブルという老婆が登場する。ネテロとともに暗黒大陸へ渡航した経験があり、かなりの実力をもっているのではないだろうか。
敬老の日にあわせて、敬意を表しながらさまざまな老人キャラクターの活躍を思い返してみてほしい。