2022年9月19日は敬老の日。先達である老人たちを敬い、感謝を伝える日である。
老人といえど、アニメや漫画の中には「年寄り扱いする必要ある?」と思うほどに強烈なキャラクターが多数登場する。特にバトル漫画に登場する老人たちは、若者を差し置いてぶっ飛んだレベルの強さを持っているケースが多く、「年寄りの冷や水」どころか「亀の甲より年の功」を地で行く様子に、ただただ驚かされるばかり。
そこで今回は筆者が特に好きな「最強老人」が多い冨樫義博作品にスポットをあて3人をピックアップ。具体的なエピソードとともに、どれぐらい強かったか改めて振り返ってみたい。
■幽助の師!妖怪も恐れる霊光波動拳の使い手
まずは、『幽☆遊☆白書』の幻海から。1990年から1994年にかけて『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された、人間と妖怪の争いを描いた同作。
幻海は人間界で有名な霊能力者であると同時に、人間の体に宿る霊力を活用する武術・霊光波動拳の使い手でもある70歳超えの老婆だ。その強さは妖怪たちにも知れ渡っており、幻海を倒して名を上げようとする輩がいるほど。
作中では、弟子である主人公・浦飯幽助に極意を授け、因縁の相手である戸愚呂・弟に殺されてしまい、強い印象を持っていない人もいるかもしれない。しかし、暗黒武術会での戦績は全戦全勝のうえ、苦戦らしい苦戦はしていない。さらに、自身の霊力や能力で力押しする浦飯チームのメンバーとは違い、相手の妖気を利用したり、悪の心に洗脳されたDr.イチガキチームのメンバーを浄化したりとテクニカルな技を多く持つ。
『からくりサーカス』のルシールや『ONE PIECE』のドクターくれは、はたまた『BLACK LAGOON』のヨランダなどなど、他の老女キャラと比べてもトップクラスの強さを持つ幻海。厳しい性格に加え、霊光波動によって若返った美貌を見せるシーンもあったが、こうしたギャップで驚かせるのも冨樫作品ならではの手法といえるだろう。