■寿命すら当然のように捧げた一途な恋心
続いて紹介するのは『DEATH NOTE』(原作・大場つぐみ氏、漫画・小畑健氏)に登場する“ミサミサ”こと弥海砂。過去に家族を強盗に殺害されており、その強盗をデスノートで殺してくれた“キラ”こと夜神月に一目惚れする。
そして第二のキラとなった海砂は月のために行動、人を殺すことも平気で行う。月に対する独占欲や嫉妬心が強く、思いこみも激しい。月が他人とデートをするだけでも許せないらしく、そんな場面を目撃したら「その子、殺しちゃうよ」と宣言するシーンもあった。
そんな海砂の月に対する想いの強さは常軌を逸したレベルで、月の役に立つと思えば自分の命すら迷わず捧げる。残りの寿命が半分になる死神との“目の取引”(しかも二度目)を自ら行い、余命わずかになっても月への愛のために行動するあたりに、おそろしすぎる執念を感じた。
■感情の振り幅がすさまじい最凶のストーカー
最後に紹介するのは、えすのサカエ氏の『未来日記』のヒロインである我妻由乃。主人公の天野雪輝のクラスメイトで、誰もが憧れる完全無欠な美少女である……表向きは。
彼女の本性は雪輝に惚れこんでいるストーカー。実はとんでもなく凶暴で感情の起伏が激しく、思い通りにならないと激昂することもしばしば。雪輝への行き過ぎた愛から、彼のためなら犯罪行為であっても難なく行う。また彼以外の人間にはまったく興味がないようで、強すぎる嫉妬心から雪輝に近づく女性を殺そうとする。
そして雪輝と同様に未来日記の所持者の1人なのだが、由乃の未来日記が持つ能力は、雪輝の未来を10分おきに記録するというもの。能力に至るまでストーカーに特化しているあたりも特殊すぎる。まさにクレイジーなヒロインと言えるだろう。
ネタバレを避けるためにあえてここでは言及しないが、物語が進むごとに明らかになっていく我妻由乃の異常性に恐怖させられることだろう。
ヤンデレキャラは、対象への行き過ぎた愛情が原動力になっていることが分かる。その偏愛は、愛情を受ける相手をドン引きさせてしまうのだが、ある意味では純粋な気持ちの表れと言えなくもない。ちょっぴり攻撃的になりすぎてしまったり、一般人には理解不能な猟奇的な行動をとってしまうのが玉に瑕なのだ……。