■生い立ちから不幸すぎる……綾崎ハヤテ
畑健二郎氏『ハヤテのごとく!』の主人公である綾崎ハヤテは、超裕福な名門一族・三千院家に仕える執事だ。彼はギャンブル好きで無職という最悪の両親のもとに生まれ、現在の主人である三千院ナギに拾われるまで壮絶な人生を送ってきた。
そもそも高校生で両親から1億5千万円を超える借金を押しつけられてしまったという時点で、不幸度合いはケタ違い。基本的に本作はギャグ漫画なのだが、それにしてはなかなか設定がヘビーすぎる。そんな人生経験の豊富さ(?)からか、特技が“サバイバル”と公言されているのが切ないところだ。
また、ハヤテは非常に頑丈な体の持ち主なのも特徴。車に轢かれようが、ジェットコースターから落ちようが、猛獣に襲われようが、とにかく何があっても死なない。これも、常人離れした不幸さと引き換えに得たものだと思うと、なんだか悲しく思えてならない。
■かかわっただけで死相が… !? 鈴宮陽衣
麻生周一氏『斉木楠雄のΨ難』に登場する鈴宮陽衣は、主人公の楠雄たちが通うPK学園に転入した転校生。転校初日から霊柩車に轢かれたり、自己紹介を始めた途端にいろいろと邪魔が入ったり、ゲリラ豪雨や隕石が降ってきたり……と、登場シーンからなかなかの不運っぷりを見せつける。
そのほか、周りで3人のクラスメイトが同時に転び、彼らが持っていたブラックコーヒー、トマトジュース、カレースープを全部浴びたり、歩いているだけなのに鎖鎌で切られかけたり、至近距離で爆発が起きたりと、笑うしかないようなレベルの災難にもしょっちゅう遭っている。
さらに、陽衣の不幸は周りをも巻き込み、彼女とかかわった人間にはほぼ例外なく死相が出てしまうという超ド級の不幸体質ぶり。それなのに陽衣本人は自身を不幸だとは思っておらず、ドジなせいでいろいろなトラブルが起きると思っているのだ。この鈍感さこそ、ある意味“不幸中の幸い”といえるかもしれない……。
いつも何かしらのトラブルに襲われ、そのたび痛い目に遭ってしまう不幸体質キャラ。ちょっとした不幸はもちろん、災害レベルの不幸に見舞われる者もいて気の毒な反面、たまに何も起こらないと逆に心配になってしまったりも……。
いつもドラマを作り出してくれる彼らが少しでも平穏無事な生活を送れる日が来るよう、願うばかりである。