2018年から2020年まで第1部が『週刊少年ジャンプ』にて連載され、2022年7月から「少年ジャンプ+」で第2部がスタートされている、藤本タツキ氏による漫画『チェンソーマン』。今年10月からは『呪術廻戦』や『進撃の巨人 The Final Season』などを手掛けたMAPPA制作によるテレビアニメが放送予定で、いまもっとも注目される漫画といっても間違いはないだろう。
そんな第1部の主要登場人物だったのが、血の魔人・パワー。見た目だけでいえば、頭に生えたツノが特徴のかわいらしい少女だが、さすが悪魔というべきか中身はかなりヤバい。嘘つきで自己中というちょっと救いようがないキャラであるにもかかわらず、どこか憎めない不思議な愛嬌から彼女の虜になってしまう読者も多いようで、『週刊少年ジャンプ』誌上で行われた第1回人気投票では主人公・デンジとマキマを差し置いて第1位に輝いている。
今回はアニメでの動きが楽しみでならない、彼女のヤバさと魅力を作中のいくつかのエピソードも交えて振り返りたい。
■居候の身で態度がデカすぎるパワー
第11話で、パワーはデンジと同じく早川アキの家に住むことに。開口一番「狭い家じゃのお~!」と失礼な発言をしているのは序の口だった。
実際に共同生活を送り始めると、パワーは野菜を投げるわ風呂はたまにしか入らないと豪語するわトイレを流さないわと、とにかくワガママ放題のやりたい放題。おまけにアキとデンジが文句を言うと、「人間は繊細じゃのお~!」などと言い始める始末。どう考えても居候させてもらう側の態度ではないし、自己中すぎて逆にかわいい。マキマの前では「いい子にできる」とかわい子ぶっていたようだが、とんでもない話だ。
それにしても、今までひとり静かに生活していたのに、突如猛獣2人の面倒を見ることになってしまったアキ……。ストレスで胃に穴があくんじゃないかと心配になってしまう。しかしその後はなんだかんだで上手くやっているようなので、結局のところ面倒見が良いのだろう。この3人の関係性の変化に注目しながら、作品を読んでみるのもまた面白い。