腐れ縁で結ばれた「幼なじみコンビ」3選 『ヒロアカ』緑谷&爆豪『銀魂』銀時&高杉、『FAIRY TAIL』ナツ&グレイも…いがみ合いながらも実は一番の理解者?の画像
講談社コミックス『FAIRY TAIL』(講談社)第59巻・書影より

 小さい頃からつき合いがあり、人生のうちお互いのことを知らなかった期間のほうが短い、“幼なじみ”という関係。マンガにもよく描かれる関係性だが、一緒にいる時間が長いぶん、気が合って仲良しというケースが多いようにも思う。

 しかし中には、何年一緒にいようとそりが合わず、ケンカばかりしている者たちもいる。それでも縁が切れることはないあたり、お互いに意識はしている存在なのだろう。今回はそんな腐れ縁で結ばれた、幼なじみコンビを3組紹介していく。

■『僕のヒーローアカデミア』緑谷と爆豪

 堀越耕平氏による『僕のヒーローアカデミア』の主人公・緑谷出久と彼の幼なじみ・爆豪勝己は、幼稚園の頃からのつき合いだ。

 おとなしい性格で地味なうえに“無個性”だった緑谷と、ガキ大将で天才肌……さらに“爆破”という派手な個性にも恵まれた爆豪。そんな組み合わせの2人の間には、幼なじみとはいっても明確な上下関係がある。とくに中学時代までは、緑谷が爆豪に怯えたり、爆豪が緑谷を過剰にバカにする描写が目立っていた。

 雄英高校に入学してからも、2人はたびたび衝突を繰り返すことに。緑谷は爆豪をはじめとしたクラスメイトに追いつくために猛特訓し、爆豪はそんな彼の急成長に焦りを感じ始める。緑谷が強くなれば強くなるほど、爆豪のイラ立ちは募っていく。

 爆豪の緑谷に対するイラ立ちの裏には、幼少期からこじらせまくったプライドの高さが隠されていた。彼は周りの人間を“格下”と考えており、基本的に誰の言うことにも耳を貸さない。だからこそ、“格下”なのに何度も自分を助けてきた緑谷のことが嫌いだったのだ。緑谷は緑谷で爆豪に怯えつつ憧れも抱いていたので、2人は長年の間、本音でぶつかり合うことができていなかった。

 しかし物語が進み、それぞれがヒーローとしても人間としても成長していくと、2人の関係性は少しずつ変わっていく。どこかバランスの悪かった2人が、お互いを対等なライバルとして見るようになっていくまでの過程には、胸をアツくさせられるものがあった。

■『銀魂』銀時と高杉

 空知英秋氏による『銀魂』の主人公・坂田銀時は、幼少期に身寄りがないところを吉田松陽に拾われ、彼の開いた寺子屋「松下村塾」に通っていた(大体居眠りしていたが)。桂小太郎と高杉晋助はもともと名門塾に通っていたが、ひょんなことから松陽の門下生となり、3人はときにぶつかり合いながらも一緒に大きくなっていく。

 銀時と高杉はとにかく性格が合わず、幼い頃からケンカをしてばかり。成長して、ともに攘夷戦争に参加するようになってからも、くだらないことで大ゲンカするなど、子どもじみた言い争いをたびたび繰り返していた。

 とはいえ、この二人は息の合った様子を見せる場面も多く、なんだかんだで仲は良いようである。しかし攘夷戦争終結後は、恩師である松陽の死をめぐって道を違え、因縁の相手とも言うべき殺伐とした関係になってしまう。

 かつて親友だったにもかかわらず、悲しい運命のせいで敵対せざるをえなかった2人。彼らは幾度となくすれ違い、ぶつかり合い、周りを巻き込みつつ激しい戦いを繰り広げることになる。

 だからこそ物語終盤、紆余曲折を経てからの共闘シーンは激アツで、彼らの一筋縄ではいかない友情に胸を打たれる。似た者同士、互いをよく知る者同士だからこその、絶妙なコンビネーションにぜひ注目してほしい。

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