■照れて素直になれない姿にキュン「バレンタイン回」
コミックス34巻の第295訓「カカオよりココロ」では、バレンタインのエピソードが描かれている。神楽はもともとバレンタインというイベントに大して興味はなく、お妙が義理チョコを買いに行くのにつき合っただけだった。
会話の流れで妙から「銀さんたちにでも贈ってあげたら」と言われるものの、その場では「いいアル」とバッサリ。しかし結局は銀時と新八の喜ぶ顔を見たくて、こっそりチョコを買って万事屋に帰っていく。
しかし、いつものアグレッシブさはどこへやら、神楽は照れくささのあまり2人にチョコを渡すことができない。渡すタイミングをうかがってモジモジしている様子は、ふだんなかなか見られない貴重な姿だった。
一方、男2人はチョコがもらえないという話で大盛り上がりで、自分たちのために神楽がチョコを買ってきたなどと夢にも思っていない。結局、神楽はチョコを渡すことができなかっただけでなく、銀時のデリカシーのない発言にキレて万事屋を飛び出してしまう。
「もう知らん」とばかりにふてくされる神楽だが、事情を察した女友達が協力してくれることに。その後もドタバタな展開が続くが、果たして神楽は無事チョコを渡すことができるのか……。珍しく照れまくる神楽がかわいく、思わず「がんばれ!」と応援したくなるほっこりエピソードだ。
■銀時の真似をする姿がカワイイ!「万事屋グラちゃん」回
前2つと少々ベクトルは違うものの、コミックス13巻の第107訓「花屋とかケーキ屋の娘に男は弱い」の神楽もかわいらしい。
この回では銀時が40度の高熱を出して寝こんでしまい、新八と神楽の2人で浮気調査の仕事をしなければならなくなってしまう。すると何を思ったのか、神楽は銀時の服を引っ張り出してきて、「万事屋グラちゃん」を名乗り始める。“こんなカンジだろーが”と言いながら銀時の真似っこをして(しかも微妙に似ていない)、サイズの合わない服をズルズル引きずって歩く姿に思わずキュンとしてしまう。
彼女のごっこ遊びに振り回される依頼人がかわいそうではあるが……。ちなみに心配していたのか、寝室から神楽たちの様子をこっそりうかがう銀時の姿もあった。
もちろん神楽主導で仕事がうまくいくはずもなく、彼女と新八はあちこちで大騒ぎを起こすことに。とはいえ、かっこつけて椅子に座り、机の上で脚を組むものの顔が隠れてしまう神楽、銀時を真似て名言っぽいことを言う神楽、ヘルメットとゴーグルをつけてスクーターを運転する神楽(違法である)……と、いろんな姿が見られたのがうれしい。
なぜかグラさんのキャラにハマった新八が、事あるごとに「グラさんんん!!」と繰り返すのもツボだった。
作中の新八の言葉を借りれば「ぶっきらぼうで生意気で大食らいで、でもとっても優しい女の子」である神楽。今回はそこに“カワイイ”も追加してもらいたくなるような、神楽メインのエピソードを紹介させていただいた。ほかにも「携帯電話の回」や「神楽のカレシ篇」など、泣く泣く割愛したエピソードもあるので、気になる方はそちらもチェックしてみてほしい。