1986年からシリーズが開始され、2021年9月には最新作『ジョジョリオン』の連載が完結した荒木飛呂彦氏による人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』。今年でテレビアニメ放送10周年を迎え、9月1日からは第6部2クール目の配信もスタートとなる。
同作の魅力はなんといっても、3部から登場したスタンド能力を使用した敵たちとのバトル。炎や氷を扱う単純な攻撃系能力など、それぞれの魅力があるスタンドばかりだが、中には出会ったら最後、攻略が不可能で何が目的かも分からずただただやり過ごすしかない能力もあった。
今回はこれまで登場したスタンドの中から、絶対に攻略が不可能だと思われるスタンドを厳選して紹介していきたい。
■背後霊のように取り憑くスタンド
まずは第4部に登場した乙雅三のスタンド「チープ・トリック」から。このスタンドは亡霊のようなスタンドで、ある条件を満たすことで宿主を変えてしまう。その条件とは他人に背中を見られるというもの。
そんな単純なことだが、もし見られてしまうと本体の人間は生命エネルギーを吸い取られて干からびて死んでしまう。そのためこのスタンドに取り憑かれた人間は、けっして他人に背中を見せてはいけなくなってしまう。
それゆえ乙も岸辺露伴の家を訪ねた際に、かたくなに背中を隠して歩いていた。しかし、露伴はそれが気になって乙の背中を見るためにあの手この手を尽くして、結果見ることに成功。そのため露伴は「チープ・トリック」に寄生されてしまい、絶対に他人に背中を見せられない状況になった。
このスタンドはスタンドによって強引に引き離すことはできない。そのため取り憑かれたら最後、その人間は背中を見せずに生活するしか生き残る方法がないのだ。露伴の場合は街で噂になっている都市伝説を利用することで運良く助かったが、何が目的かも分からない謎だらけの不気味なスタンドだった。