マンガの主人公が人気になるのはいわば必然だが、脇役キャラの中にも想像以上の人気を博すキャラが生まれることもある。そこには主人公を支えるキャラもいれば、敵対関係になるキャラもいて、物語を盛り上げるために大きな役割を担う存在と言っても過言ではない。
そして物語の展開によっては作中で無念の死を遂げるキャラはいるが、ときには読者の予想を裏切る“まさかの死”を迎えたキャラも存在する。
そこで今回は個人的に、まさかすぎる死に驚かされた人気の脇役キャラをピックアップ。『週刊少年ジャンプ』(集英社)、『週刊少年サンデー』(小学館)、『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)の三誌で連載された人気作の中から厳選して紹介したい。
※以下には『ONE PIECE(ワンピース)』、『うしおととら』、『刃牙道』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、漫画およびアニメをまだご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。
■誰もが予測不能!?『ONE PIECE』圧倒的人気キャラの壮絶な最期
人気キャラの死として多くの読者に衝撃を与えたのは、やはり尾田栄一郎氏の『ワンピース』に登場するポートガス・D・エースではないだろうか。
ゴール・D・ロジャーの息子でルフィの義兄であるエースの存在が、物語に与えた影響はかなり大きく、誰もがルフィとエースのコンビによる活躍を期待していたに違いない。
しかし、そんな期待を裏切るかのようにエースは黒ひげに敗れ、海軍に捕まったときは衝撃が走った。“火拳のエース”はそんなにヤワな男ではないし、貴重とされる自然系のメラメラの実の能力の強さも別格だからだ。
そしてエースが公開処刑されることになると、白ひげをはじめ、いろんな人物がエース救出に動く。もちろん義弟のルフィもエースを想って救出に向かったが、残念ながら最悪の結末を迎えてしまう。
サカズキの拳に体を貫かれ、エースは自らの死を覚悟する。自分を受け入れてくれた白ひげや仲間たち、そしてルフィに向けて、エースは「愛してくれて……ありがとう!」の言葉を遺して逝った。
この短い言葉にはエースの人生そのものが込められているようで、悲しくも切ない気持ちにさせられた。それとともに本当にエースが死んでしまったという事実をしばらく受け入れられなかったことを思い出す。