『おそ松さん』プロデューサーが語る 新作映画へのこだわりと原点回帰「ブームになるとは1ミリも思わなかった」の画像
(c)赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会

 放送禁止ワードやパロディで、孤高の道を歩むギャグアニメ『おそ松さん』。ニートの6つ子たちを中心に繰り広げられた物語は、2015年から放送が始まり、シリーズ3期を重ねている。そして、現在は新作『おそ松さん~ヒピポ族と輝く果実~』が全国劇場で公開中。先日行われたキャスト陣の舞台挨拶も大好評だった本作で、シリーズ第1期から携わる富永禎彦プロデューサーに、今作への想いを直撃した。

スタッフの力で第1期からヒット!

(c)赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会

――そもそも、アニメ『おそ松さん』の企画はどのように動き始めたのでしょうか。

「実は僕自身、1988年放送のアニメ『おそ松くん』は観ていましたが、そこまで夢中にならなかったんです。むしろ週刊少年ジャンプや『ガンダム』シリーズが好きな子どもだったので、企画の話を聞いたとき、ピンと来ませんでした。けれど、1期の脚本を作っている段階で、これはおもしろいぞ!という手応えはありました。一方で、いろんな意味で2015年当時の流行のアニメではなかったんですよね。バカなことばかりやる話ばかりで、カッコ良いことを一つもやってない(笑)。それを、お客さんがおもしろいと思ってくれるかはわからなかった。なので、その後ブームになるとは1ミリも思ってなかったです」

――最初は、監督を筆頭にスタッフはどのように集めていかれたのですか。

「自分が声をかけられる人でいちばんおもしろいものにしてくれるのは誰かと考えた結果、監督は藤田陽一さんしか知りませんでした。藤田さんはアニメ『銀魂』の監督をされていたし、ギャグだったら彼しかいないと思ったんです」

――いま、本シリーズのヒットの理由を分析するといかがですか。

「1話目でトラブったことでしょうか(笑)。あれで予想以上に作品が広まり、観てくださる方が増えたと思います。あとは、ヤバいネタを入れるギャグものという部分がお客さんに新鮮に映ったのかな、と。6つ子のキャラクター性、彼らの関係性を、アニメファンや声優ファンを中心に楽しんでくれたのも大きかったです」

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