『異世界おじさん』に『異世界薬局』今期はどの異世界に行く? 2022年夏の「異世界アニメ」3選の画像
(c)殆ど死んでいる・KADOKAWA刊/異世界おじさん製作委員会

 2022年7月期のアニメも続々とスタートし、何を視聴しようかチェックを開始しているアニメファンも多いと思うが、各クールで定番となっている“異世界転生もの”が今期も目立つ。

『Re:ゼロから始める異世界生活』『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』などなど、続編の放送にも期待がかかる名作“異世界転生もの”に続くアニメは今期からも生まれるのか。7月にスタートとなった夏アニメから注目の異世界転生アニメをいくつか紹介したい。

■『異世界おじさん』

 かなり異色な異世界転生「帰り」アニメがスタートした。2018年からWebコミック配信サイト「ComicWalker」にて連載開始(現在は「WebComicアパンダ」に移籍して連載中)、累計発行部数150万部越えを記録した大人気漫画を原作に、待望のアニメ化が実現した『異世界おじさん』(原作:殆ど死んでいる)。

 昨今の異世界転生もの乱立の中では、もうただただ異世界に転生してチートで無双して、ハーレムを謳歌するだけでは視聴者は食いつかない。さまざまな作品で趣向を凝らした設定が展開されているが、こちらの作品は「異世界転生した男が現代に戻ってきた」という設定だ。

 たかふみの叔父さんは17年前に交通事故に遭い意識不明の状態が続いていたが、目を覚まし奇怪な言語で話始める。たかふみが訝しんでいると、なんでもおじさんはこの17年間異世界に転生していたというのだ。

 異世界転生の入り口は、主人公の死・または重症を負うほどのショッキングな事故からスタートすることが多い。大きな衝撃を受けて目が覚めたら異世界に……という王道展開だ。王道を踏まえ異世界に行っている間も現実世界の時間は進む。植物人間になった人ひとりの処遇というのは残された家族にとっては大問題だ。

 おじさんの家族も彼の処遇について揉めに揉め、一家離散の大惨事になっていた。たかふみはおじさんが目を覚ましたことを聞きつけ、自立支援の書類をもってきて、異世界帰りの報を受ける。というのが第1話のはじまりだった。

 異世界転生ものは基本的に「美形」が主人公だ。なぜか容姿が整っており、異世界でもハーレム待ったなしがお決まり展開だが、このおじさんはお世辞にも美形とは言えず、伸ばしっぱなしのロン毛でメガネをかけたヒョロヒョロな中年。

 彼は自分が陰キャのオタクであることは十分理解しており、異世界においてもオークと間違われ村に入れば戦闘が始まるような不遇な目にあってきたことが語られるのだが、自らを陰キャでブ男と認識しているだけに、異世界で巻き起こるさまざまなハーレム展開のフラグを自ら折りまくっているのも見どころの一つ。

 さらに現代の2000年前後の世界から異世界に転生したおじさんのオタク知識がメタ要素としてそのまま作中で語られるので、おじさんと同年代の視聴者は懐かしさを刺激されるのではないだろうか。セガへの愛が強すぎるゆえにオープニング映像にもさまざまな小ネタが盛り込まれているので是非見て頂きたい。

 キモイおっさんキャラではあるが、視聴していくうちにどんどん愛しく見えてくるから不思議である。オープニングのラストに映る笑顔全開のシーンは1話目段階ではつい画面から目をそらしそうになったが、2話目からはかわいく見える不思議……。

 今期イチ、気になるおじさんの異世界の土産話と現実世界でのリハビリ生活を最終回まで追い続けたい。

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