1968年に創刊された『週刊少年ジャンプ』(集英社)は、『ドラゴンボール』や『ONEPIECE』をはじめ、世界的な人気漫画を多数輩出。それと同時に、数多くの魅力的な主人公を送り出してきた。バラエティに富んだ主人公とライバルの激闘は、バトル漫画を盛り上げてくれる要素のひとつだ。
だが、それ以外にも強い個性を持った脇役がいるからこそ、物語に深みを与えてくれるとも言える。それにジャンプのバトル漫画には、主人公が不在にもかかわらずアツすぎる名勝負が繰り広げられるケースも多い。中には主人公やそのライバルの戦いより盛り上がりを見せたものも珍しくないのだ。今回はそんな戦いの中から、とくにアツいと感じた名勝負を厳選して紹介していきたい。
※以下には、『NARUTO』『BLEACH』『呪術廻戦』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、漫画およびアニメをまだご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。
■最大で最高の兄弟ゲンカ!『NARUTO』サスケvsイタチ
まず最初に紹介するのは、岸本斉史氏の『NARUTO -ナルト-』から「うちはサスケとイタチ」の対決。この二人は実の兄弟だが、ある日を境にお互いに殺し合わなければならなくなった。その理由は、兄のイタチが両親を含めて同族を皆殺しにしたからで、サスケはその日からイタチを殺すために闇落ちする覚悟で力を手に入れていく。
そんな因縁のあるサスケとイタチの戦いは、うちは一族の聖地にてひそかに行われた。互いの実力を測るような瞳術合戦で始まり、そこからイタチの「天照」やサスケの「火遁・豪龍火の術」と、炎を用いた戦いが展開されていく。
病に冒されながら大技を繰り出したイタチは肉体に負荷がかかり、次第に動きが鈍くなる。そんなイタチの様子にサスケは好機とばかりに、自然の雷そのものを利用した技「麒麟」を放った。
しかし、イタチの持つ写輪眼最強の術である「須佐能乎」によって状況は一変。サスケのあらゆる攻撃が無効化され、イタチは体を引きずりながらサスケに迫る。逃げ場を失ったサスケはそのまま何もできず、写輪眼を奪われる覚悟をするが、イタチはサスケの額を軽く突くと、そのまま崩れ落ちて絶命した。
サスケはのちに知ることになるのだが、イタチの行動は実はサスケや里のためを想ってのもの。最後にイタチがサスケにした仕草も、仲の良かった頃の二人にしか分からないもので、いかにイタチが弟のことを想っていたのかが分かるシーンだった。