■触れたら終わり「ザ・ハンド」
続く第4部で登場した虹村億泰の使う「ザ・ハンド」は、あらゆるものを削り取るという能力。
それだけ? と思ってしまうのだが、これはかなり脅威と言える能力でもあるのだ。右手で触れるだけであらゆるものをかき消してしまうので、防御をしても体をそのまま持っていかれてしまう。『ジョジョ』シリーズでも珍しい、防御不能の能力といえそうなのだ。
初めて戦った仗助もこの右手には違和感を感じて、触れないようにして必死に腕を抑えていた。純粋にバトルでこの能力を回避することは不可能であり、初見で看破することも難しい。
これほど強い能力があるのに評価されていないのはなぜ? と思ってしまうが、それは億泰の性格によるところが大きいのではないか。億泰は考える前に行動に移してしまう直感的なタイプで、それによって冷静さを欠いて何度も失敗している。これがもし、もっと頭がキレて冷静に判断できる使用者だったとしたら。億泰のかわいらしさはなくなってしまうが、恐ろしい能力者になっていたことだろう。
■攻守ともに最強すぎる「ホワイト・アルバム」
「ホワイト・アルバム」は第5部に登場した、ギアッチョが使用したスタンドである。
このスタンドの能力は氷結系と呼ばれるもので、触れたものや周辺の温度を絶対零度まで下げたり戻したり出来るというもの。一瞬で凍らせることも可能なので、触れられるとその時点で終わりでもある。そして直接触れなくても周囲の温度を下げるだけで、相手は動くことも難しくなる。他にも自身を氷のスーツで覆うことで相手の攻撃を無効化してしまううえに、触れることもできない。防御能力としても有能なのだ。
作中ではジョルノとミスタがギアッチョと交戦したが、ジョルノの能力が無かったらギアッチョにあっさりと敗戦していたと思える。ジョルノたちは苦戦を強いられたうえに偶然の勝利となったので、もう一度戦ったら負けてしまう可能性もあるだろう。
氷結系のスタンドには第3部に登場したホルス神がいたが、能力や使用者の技術の高さから見ても強さは比べ物にならない。
『ジョジョの奇妙な冒険』には意外と見落とされてしまうスタンドも多いと思う。「この能力が実は最強だったのでは?」と考察するのもジョジョファンの話題の鉄板といえるだろう。今回紹介したスタンドはそんな中のひとつでもあるので、他にも状況や環境で最強と言えるスタンドがあるかもしれない。