1986年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)での連載がスタートした荒木飛呂彦氏の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ。『ウルトラジャンプ』で連載されていた第8部「ジョジョリオン」が2021年8月に最終回を迎え、次シリーズとなる第9部「JOJOLANDS(仮)」の開始が告知されている。これまで第5部までテレビアニメが制作されており、今年秋からは空条徐倫を主人公とした第6部2クール目の配信・放送が予定されている。
3部以降は「スタンド」によるバトルが描かれている同シリーズ。キャラの個性を反映させたそれらの能力は、火や水を扱う単純なものだったり、時間や空間をねじまげるものだったりさまざまだが、中には凄い能力を秘めているにもかかわらず、それを活かしきれずに退場してしまった残念なスタンドもいるように思う。今回は能力はシンプルながら、とんでもない実力を持っていたスタンドをいくつか振り返りたい。
■太陽そのものの力を持つ「サン」
まずは第3部に登場したアラビア・ファッツが使うスタンド「サン」。そんな名前のスタンド使いがいたのか? と思い返すのも難しいキャラでもある。その理由は登場早々にあっさりと倒されてしまったからで、名乗る間も無かったからだ。だが「サン」は地味な雑魚キャラにしておくにはもったいない、実はすごいスタンドだったのではという説がファンの間に広がっているキャラでもあるのだ。
「サン」は太陽の力を司るスタンドで、承太郎たちのもとへ太陽を近づけることで地表温度を80度近くまで上昇させることができる。これには承太郎たちの体力がどんどん奪われ、失神寸前となっていた。しかし本体が近くで鏡を使って周囲の風景に同化して潜んでいたので、それを見つけられ「スタープラチナ」の投げた石が直撃して敗北した。
わずか2話、しかも本体であるアラビア・ファッツは1コマのみの登場でリタイア。3部読者でも忘れてしまうような弱小スタンドにも思えるが、そんなことはない。太陽と同じような力を操って地表の温度をどんどん上げたり、本体に近づく者に対してレーザー光線で応酬する力はかなりすごい能力といえる。
能力が強すぎるので、本体は敵の近くにいなくてはならないという弱点もあるが姿をしっかりと隠して、自身が灼熱の温度に耐えられる防護服のような備えをしていれば問題ないだろう。使い方次第では強敵になりえたかもしれないスタンドではないだろうか。