■ネテロと親交があった「ジグ=ゾルディック」

 ネテロ会長とかつて暗黒大陸に足を踏み入れたとされるのが、キルアの親族と思われる「ジグ=ゾルディック」なる人物。本編には現在の姿は一切描かれておらず、回想シーンでわずか1コマ登場しているだけ。重要人物といえるかは怪しいところだが、暗黒大陸の五大厄災のひとつである「ガス生命体・アイ」についての重大な情報をジグがにぎっている可能性が高い。

「兵器ブリオン」「双尾の蛇ヘルベル」「人飼いの獣バブ」「不死の病ゾバエ病」、これらと合わせ、暗黒大陸から人類が持ち帰ってしまった厄災が「ガス生命体・アイ」だ。

 暗黒大陸編はこの五大厄災の謎を紐解くストーリーであることが予想されるが、コミックス33巻の挿し絵で、ゾルディック家のナニカ(アルカ)の正体がこの「ガス生命体・アイ」であることが明かされた。このことから、ゾルディック家にナニカを連れ帰ったのがジグなのではないかという説がファンの間で広がっている。

 暗黒大陸上陸時の回想シーンでは、ネテロ会長よりも幼く描かれていたジグ。同じく大陸に渡った「リンネ=オードブル」は現在も最高齢ハンターとして存命中なので、ジグもまたどこかで生きている可能性は十分ある。

 現在ナニカはキルアとともに旅をしている最中だが、その出生の秘密をジグが語るという展開もあり得るのではないだろうか。

『HUNTER×HUNTER』は、緻密に張り巡らされた伏線や複雑なキャラ関係が魅力のひとつ。今回振り返った意外にも、船のどこかに潜んでいると思われるヒソカや、ナニカの利用を企むイルミ、カキン帝国の王子たちとクラピカなど、気になるキャラを挙げればキリがない。

 連載再開時期は現在発表されていないが、いつ物語が動き出してもいいように今のうちに過去のエピソードを整理するのもよいのかもしれない。

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