■シリーズ屈指の人気キャラ・烈海王がまさかの結末……
刃牙シリーズでおなじみの中国武術の達人「烈海王」。義理人情に厚く、実直な性格からファンの多い格闘家だったが、『刃牙道』の中であまりにも衝撃的な最期を迎えた。
最先端のクローン技術によって現代によみがえった伝説の剣豪・宮本武蔵。思いもよらぬ猛者の出現に現代の格闘家たちが注目する中、武器解禁という条件で戦いを挑んだのが烈海王である。
烈は自らが持ち得る中国武術のすべてを出すも武蔵には通用せず。挙句の果てには、刀ではなく、たすきの紐で捕縛され、身動きが取れなくなるという屈辱を味わった。
武に生きる者として許されない醜態を晒した烈は「叩ッ斬れ!!! 武蔵ッッ」と吠えるが、武蔵は「もはや貴様には斬られる自由すらない」と取り合わず。烈は、悔しさのあまり涙を流す。
武士の情けか、捕縛した烈を解放した武蔵は、真剣を抜いて応じる。武蔵の一撃目は、相手の攻撃を無効化する中国武術の奥義「消力(シャオリー)」により致命傷には至らず。さらに烈は自らの拳を犠牲にして武蔵の刃をつかむことにも成功したが、続く武蔵の二撃目が烈の腹部を横に斬り裂き、大観衆が見守る前で絶命した……。
戦いの末に烈海王が敗れるのは致し方ないことだが、再起の可能性すらない悲惨な死を迎えたのは衝撃だ。戦いを通じて主要キャラが死ぬのは作中でも初めてのことで、よりによって人気者の烈海王がこんなカタチで散るとは思いもよらなかった。
刃牙シリーズには、悲惨な負け方をしたキャラはほかにもたくさんいるが、個人的にとくに悲壮感をおぼえたのが今回紹介したキャラたちである。敗戦1つにもいろんな描き方があり、随所で読者の心に刺さるインパクトある負け方が描かれているのも刃牙シリーズの魅力なのかもしれない。