『鋼の錬金術師』人体錬成、おぞましい化け物、仲間を捕食…“地味にトラウマものの衝撃シーン”3選の画像
画像はガンガンコミックス『鋼の錬金術師』第21巻(スクウェア・エニックス)

 2001年から2010年まで『月刊少年ガンガン』で連載されていた荒川弘によるバトルアクション漫画『鋼の錬金術師』。ダークな世界観と魅力的なキャラクターなど魅力たっぷりの作品で、6月24日からは映画『鋼の錬金術師 完結編』の二部作目となる『最後の錬成』が公開。今再びコミックスを読み返しているというファンも多いのではないだろうか。

 天才錬金術師のエドワードとその弟アルフォンスが「賢者の石」を手に入れるための旅に出る、というのが物語の大きな筋書きだが、前述のとおり「ダーク」な雰囲気が作品全体に行き渡っており、なかなかにエグい描写も登場してきた。そこで今回は『鋼の錬金術師』の中でも、特に筆者の印象に残った衝撃シーンをいくつか振り返りたい。

※以下には、コミック『鋼の錬金術師』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、漫画およびアニメをまだご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。

■見た目もエグければ精神的にもキツい人体錬成シーン

 物語は、幼き日のエルリック兄弟が最大の禁忌である「人体錬成」に手を出してしまったことから動き始める。それは作品冒頭ですでに描かれているが、具体的な過程について詳しく分かるのは第6巻に入ってからのことだ。

 亡き母親のことが大好きだった兄弟は、もう1度その笑顔が見たい一心で必死に勉強と修行を重ねた。そしてついに人体錬成を行うが、結果として兄は右腕と左脚を、弟は全身を失ってしまう。

 それで錬成が成功したのならまだしも、2人が生み出したのはとても人間とはいえない代物だった。痛みに苦しむエドが「助けて…誰か…母さん…!!」と手を伸ばした先にいたのは、見るもおぞましい物体だったのだ。人体錬成を始めた時点ではきらきらと輝いていた目が、絶望に染まりきる。錬成されたモノが恐ろしかったのはもちろんだが、あまりにやるせなく、精神的にもキツいシーンだった。

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