『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の、芥見下々氏によるダークファンタジー漫画『呪術廻戦』。人間の負の感情から生まれる化け物と呪術師との激しい戦いを描いた物語だ。
バトル漫画、特に登場人物たちがさまざまな個性的“能力”を使う作品では、中には「バトルだけで使うだけではもったいない」と思ってしまうような便利能力が登場することもしばしば。『呪術廻戦』でも個性豊かなキャラクターたちが、各々の持つ「術式」を巧みに使って戦う様子が迫力ある筆致で描かれるが、使いようによっては日常生活をより便利にしてくれそうな術式も多くある。
もちろん当の呪術師たちは、生きるか死ぬかの激しい戦いをしている。便利でうらやましい、なんて考えるのは安易な発想かもしれないが、今回はこれまでに登場した術式の中から、日常生活で使ってみたい術式を厳選して想像してみたい。
■「不義遊戯」は瞬間移動に「十種影法術」は旅行に?
まずは、呪術高専京都校の東堂葵が使う、2つのモノの位置を入れ替える術式「不義遊戯(ブギウギ)」。これは、術式範囲内にある呪力を持ったものの位置を、手を叩くことで入れ替えるという技だ。
これがあれば、学校や会社などに予め入れ替えたい対象を置いておくことで瞬間移動をすることができるのではないだろうか。また、手品の代表格である瞬間移動やものの入れ替えは、宴会芸としても多くの人に喜ばれそう。
もちろん、術式範囲という限られた距離でしか使えないこと、呪力を持ったものしか入れ替えられないという制約もあるが、そうした短所があっても余りある魅力的な技である。「人を傷つけない技」であるところも、どこか東堂らしくてすがすがしい。
次は、主人公の虎杖悠仁の同級生である伏黒恵の使う「十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)」。これは手で影絵を作ることで式神を実体化させるというもので、作中ではさまざまな動物を模した式神を召喚して戦った。
動物好きにはたまらない技だが、この技のすごいところはこれだけではない。伏黒は影が呪力の媒介であることを利用して、自身の影に呪具を収納することもできるのだ。
つまりこれを使えば、引越しなど重い荷物の運搬も楽々になるのではないだろうか。手ぶらで旅行に行けると思ったら、かなりうらやましい。ただしこちらも実際には、収納できるのは呪具(武器)のみということで、使いどころはなかなか限られてしまいそうだが。