「自身の正義のために悪をなす」。手段を選ばずに正義を貫くという人には現実ではなかなかお目にかかれないが、漫画やアニメにはそういった、いわゆる「ダークヒーロー」が数多く生まれてきた。信頼され尊敬され、周囲から感謝もされる一般的な主人公キャラクターとは違い、不道徳な言動で時には非難されることもある彼ら。だが自らの信じる道を進むため、ときには「悪役」のような立ち位置に回る彼らは、誰よりも魅力的だったりもする。
そこで今回は、10代から40代の男性300人を対象に「漫画・アニメの一番好きなダークヒーロー(ヒロイン)」を一人挙げてもらった。さまざまなキャラに票が寄せられた中、特に意見の多かったキャラをランキング形式で紹介したい。(アンケートサイト「ボイスノート」調べ)
■第3位『DEATH NOTE』より夜神月
まず第3位は9.6%の得票率を集めた原作・大場つぐみ氏、作画・小畑健氏のコンビによる漫画『DEATH NOTE』の夜神月。
頭脳明晰で人柄の良い青年が、ある日名前を書くだけで人が殺せるという死神のノートを拾ったことから始まるストーリー。悪を許さないという正義感の強い好青年だった月が「キラ」として犯罪者を裁き、秩序のある新世界の神を目指すなかで、その犯罪を止めようとする世界的名探偵のLと頭脳戦を展開するという大人も楽しめるサスペンスストーリーだ。
それまでの『週刊少年ジャンプ』のキャラクターとはまるで違った夜神月という主人公。アンケートでは衝撃的だったという意見が多く、「とにかく設定が斬新だった」(27歳・男性)、「悪として描かれがちだけど、信念には共感できるところがあるから」(27歳・男性)、「悪役にも善人にもなり切れていないところがよかった」(36歳・男性)、「大量殺人犯ではあるけど、基本悪い犯罪者を裁くというのが面白かったし、発想力が魅力的だった」(40歳・男性)、「ある意味では正義だと思う」(36歳・男性)というコメントが寄せられた。
月はノートを拾っていなかったら、もっと真っ当な方法で世の中のためになる働きをしていたのかもしれない。