■ものすごく痛々しいヤムチャのやられっぷり
亀仙人の弟子となり、天下一武道会に出ていた頃のヤムチャは「繰気弾」という新技を編み出すなど、地球人離れした強さを持っていたのは間違いない。しかし、作中ではことごとく敵にやられるシーンが目立つのも、ヤムチャを不運に感じてしまう理由のひとつである。
たとえば、第22回天下一武道会では、対戦した天津飯に空中で腹部に強烈な蹴りを入れられて気絶。もはや決着はついていたにもかかわらず、天津飯は地上で横たわるヤムチャにヒザを落とし、左足を「ボキ」っとへし折った。ヤムチャの足が妙な方向に折れ曲がり、会場が静まり返るシーンは忘れられない。
さらにベジータやナッパら、サイヤ人が地球に襲来した際には、倒したと思った栽培マンが突如自爆攻撃を敢行。それに巻きこまれたヤムチャは、壮絶な爆死を遂げている。
ヤムチャの悲劇はそれだけにとどまらず、人造人間編では人造人間20号に口を塞がれながら、腹部を手刀で貫かれてエネルギーを吸い取られるというトラウマ級の衝撃シーンも。とにかくヤムチャはただ敗れるだけでなく、やられ方がいずれも痛々しすぎるのだ……。
■自分を死に至らしめた男と元カノが交際!?
ヤムチャはブルマと恋人同士だったが、彼の浮気性に我慢できなかったブルマの不満が爆発。亀仙人から呆れられるほどケンカが続き、やがて別れることになる。
するとブルマはあろうことか、ヤムチャを間接的に殺した因縁の相手であるベジータとくっつき、息子・トランクスを出産。そんな幸せな母子の様子を見ながら「ショックだな~オレ…」とつぶやいたヤムチャの後ろ姿は、とても物悲しかった。
かつては結婚に憧れ、神龍に願ってまで女性に対するあがり症を直そうとしていたはずなのに、結果的にヤムチャは独身のまま原作の物語は終わっている。
このように、いろいろとヤムチャに関する残念な面を紹介してきたが、元カノのブルマとは、その後も良い友人関係が継続。ベジータの心配をするブルマに、ヤムチャは「だいじょうぶ そう気にすんなって」と励ますなど、お人好しぶりを発揮する。
ほかにもクリリンの娘・マーロンが天下一武道会で戦う父を心配していると「おとうさんは世界でいちばん強いんだ!」と励ますシーンも印象的だった。完全無欠ではなく、少々残念な部分もある心優しいイケメンだからこそ、ヤムチャは末永くファンに愛されているのかもしれない。