■音楽もの×お仕事ものの感動作『パリピ孔明』

(C)四葉夕卜・小川亮・講談社/「パリピ孔明」製作委員会

 ラストは主題歌「チキチキバンバン」が話題を集めた『パリピ孔明』。2022年の春アニメを語るうえで欠かせない作品のひとつだろう。

 原作・四葉夕卜氏、作画・小川亮氏による『週刊ヤングマガジン』で連載中の同名漫画が原作で4月5日に放送が開始。6月21日の放送で第12話でついに最終回を迎える。

 同作は天才軍師・諸葛孔明が渋谷に転生し、クラブで出会った歌手の卵・月見英子の歌声に惚れたことで軍師としてプロデュースを始めるという物語。歴史上の高名な人物をトリッキーに現代に配置した「転生もの」のジャンルに入る同作だが、一人の夢見る若者を成功に導いていく様が感動的に描かれている。

 特に同作のテーマである「音楽」が見どころ。孔明とともにトップを目指す英子は演技と歌唱パートを分けたWキャストになっており、本渡楓が演技パートを、96猫が歌手パートを務めている。

 また主人公の歌声だけでなく、第5話から描かれたラップエピソードでは孔明役の置鮎龍太郎に加え、カリスマラッパーの赤兎馬カンフー役の木村昴やKABE太人役の千葉翔也がラップを披露し話題に。特に第6話「孔明's フリースタイル」では30分のほとんどをラップバトルに費やすという異色の展開が描かれ、放送後のSNSでは置鮎と千葉のラップへの感想が数多く上がった。

 同作は21日で終わりを迎えるが、原作はまだまだ先のエピソードがあるため2期も十分期待できるのではないだろうか。未視聴の人には今からでもパリピ孔明の世界に追いついてほしいところだ。

『パリピ孔明』以外にもいろいろな作品の最終回が近づいている。夏の次の作品が始まってしまう前に春の名作を楽しんでいただきたい。

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