■『ALIENS AREA』ほか『ジャンプ』の注目作たち

 また同誌では2週連続新連載スタート企画を実施しており、前週6月6日発売号では那波歩才氏の本誌初連載作『ALIENS AREA』を開始。同作はバイトをかけ持ちしながら弟妹たちを育てる高校生・立浪辰己が未知の生物と戦うことになるコズミックアクション漫画。謎の多い登場人物の登場やバトル要素など今後の展開を期待させる第1話で、家族との絆や主人公の成長も楽しめそうな内容だった。また、SF要素もあるので少年読者の心をガッチリ掴んでもらいたいところだ。

 連載開始が比較的近い作品でいえば、6月3日にコミックス第1巻が発売となった原作・末永裕樹氏、作画・馬上鷹将氏による落語漫画『あかね囃』。こちらも『ルリドラゴン』と同じく女性を主人公とした作品。17歳の主人公・朱音の成長へのステップの描き方が巧みで、かつ落語という題材の妙もあり見応えがある。昨今の落語ブームも相まって、古典が見直されるいい機会になるのではないだろうか。

 また5月9日発売号からスタートした原作・冨澤浩気氏、作画・肥田野健太郎氏の『すごいスマホ』は、この世のすべての情報を検索できるスマホを手にした少年の物語で、かの名作『DEATH NOTE』を彷彿とさせる頭脳系のやり取りが特徴。「ジャンプの贈る巨弾サスペンス」と銘打っているだけに、毎回ハラハラドキドキさせられる展開が注目を集めている。

 連載終了、最終章という言葉に沸く『ジャンプ』だが、どの作品が未来の看板を担うのか、続々始まる新連載作にも注目していきたい。

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