少年漫画のページをめくると、作中にはいつも未熟な主人公を教え導く、強くて頼もしい「先生」がいた。特にバトル漫画においては強敵との戦いを前に必殺技が伝授されるなど、修行のエピソードが描かれることも少なくない。厳しい特訓の中で先生と教え子との間に大きな信頼関係が生まれ、それがのちの感動シーンに繋がることもある。
そこで今回は『週刊少年ジャンプ』に登場した「先生」に注目。何年たっても色あせることのない、最高の師弟関係を振り返りたい。
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記事では『ダイの大冒険』『ＮＡＲＵＴＯ-ナルト-』『ドラゴンボール』についてのネタバレを含んでいます。未読の方はご注意ください。
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■勇者の家庭教師は魔王を倒した“元”勇者
まずは現在アニメが最終決戦に突入した三条陸氏・稲田浩司氏による漫画『ＤＲＡＧＯＮ ＱＵＥＳＴ-ダイの大冒険-』から。「ジャンプの最高の師弟」と聞いて、一番最初に同作に登場するアバン先生とダイの２人を思い浮かべた人は多いのではないだろうか。
デルムリン島でブラスやモンスターと暮らすダイのもとへ、アバン先生ことアバン=デ=ジニュアール３世は、弟子のポップを引き連れて“勇者の家庭教師”として登場する。
「そこでダイ君にはズバリ！ 一週間で勇者になれる“特別ハードコース”を受けてもらいます!!」
アバンが課す厳しい特訓をこなすダイは、たった２日で急激な成長を見せた。そんなダイに感化されるよう隠れて特訓を始めたポップについても、「いい傾向ですよ」とうれしそうな顔で見守る「理想的先生」なアバン。幻の攻撃呪文「ドラゴラム」を使用した特訓など、ダイたちの修行は順調に進んでいく。
しかし、復活した魔王ハドラーが結界を破り島へ侵入。ハドラーが、１５年前に自分を倒した宿敵であるアバンやその弟子であるダイたちを葬ろうとすると、アバンは教え子たちを守るために自爆呪文「メガンテ」を使用し命を落としてしまうのだった。
ダイにとってはわずか３日間だけの師弟関係であったものの、アバンが残した功績は計り知れないほど大きい。「アバン・ストラッシュ」は形を変えながらダイの技であり続け、同じ師を持つアバンの使徒は頼もしい仲間となり勇者を支えた。
４月１６日に放送となったアニメ第７３話「炎の中の希望」では奇跡の復活をはたしたアバン。かつての教え子たちに対して“仲間”であることを望み戦ったアバンと、そして成長した姿を見せたダイたちこそ理想の師弟関係と言えるのではないだろうか。
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