■魚人島編
魚人島は、マリンフォード頂上決戦から2年が経過、麦わらの一味が集結してからの初の目的地となった。新たなステージでの冒険という点で「グランドライン突入編」を思い出し、ワクワクしながらページをめくったファンもいたことだろう。
そんな背景もあるので最初からやけに期待値が高く、2年の修行を経たルフィたちがかなり強くなっていたこともあり、魚人島編での戦闘面などに多少の物足りなさを感じた人もいるようだ。
しかし、このエピソードには古代兵器ポセイドンや、海王類の声が聞こえる能力、謎多き人物“ジョイボーイ”のこと、約束の船ノア、海王類が語った“あの一族”の存在など、気になる情報が多数登場している。
そして、それらは現在も解き明かされていないモノばかりなので、実は重要と感じるエピソードの一つとして紹介させていただいた。
■ゾウ編
ドレスローザ編が終わり、ゾウ編に移るも、すぐにホールケーキアイランド編へと移行。かなり話数が少ないエピソードなので印象は薄かったが、読み返すとゾウ編はワノ国編への架け橋として重要なストーリーであることが分かる。
たとえば、1000年以上生き続けているゾウ“ズニーシャ”の存在、ラフテルの場所が記された“ロードポーネグリフ”、モモの助の正体と光月家のこと、何者かの声が聞こえること……などなど。あの短いエピソードの中に、伏線らしき重要そうな内容がぎっしり詰まっているように感じたのは筆者だけではないはず。
また、ルフィたちが幻の島「ゾウ」を出航したすぐ後の823話には、アラバスタ国王であるネフェルタリ・コブラや、王女であるビビが登場。ほかにもDr.くれは、レベッカ、しらほし姫らの懐かしい顔ぶれも描かれ、レヴェリー編にもしっかりとつながっている。
最近のジャンプ本誌の連載で「何者かの声が聞こえる」ことや、ズニーシャの存在が取り上げられていることも、ゾウ編をあらためて読み返したくなった理由でもある。
『ワンピース』は、連載時はそこまで注目されなかったエピソードでも、あとから「実は重要なことが描かれていたのでは?」と気づかされることがたびたびある。また100巻以上も続いている壮大な物語なので、長い月日が経ってから読み返すと読者として受け取る印象が変わっていても不思議はない。
それに加えて、エピソードが進むごとに少しずつ進化していく尾田栄一郎氏の絵柄の変遷を眺めるだけでも楽しいので、連載がクライマックスを迎える前に過去の気になるエピソードをおさらいしてみるのもオススメだ。