6月11日から公開の最新映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』。今回は、かつて悟空にとっての敵だったライバルキャラ「ピッコロ」をフォーカスする内容で、楽しみにしているファンも多いことだろう。
かつて敵だった相手が改心し、頼もしい味方になるという展開は、少年漫画ではある意味“王道”のアツい流れとも言える。しかし、ちょっとした悪事や敵対行動くらいならともかく、罪なき人を大量に殺めたり、場合によっては国や星ごと滅亡させるなどの非道な行いをしながら、いつの間にか味方になっているというケースも見受けられる。
そこで今回は「少年ジャンプ作品」の中で、かなりの罪を背負いながら味方になる描写があった3名のキャラクターのケースを紹介したい。
■ベジータ(ドラゴンボール)
鳥山明氏の『ドラゴンボール』に登場するベジータは、いつしか悟空の頼もしい仲間になり、アニメや映画でも大活躍中。しかし、もともとは私欲のために地球に襲来して悟空やその仲間を散々痛めつけた人物である。
作中にベジータが初登場したシーンでは、侵略した星の住民を殺し、その腕をちぎって食べているという恐ろしい様子が描かれ、当時は戦慄を覚えた記憶がある。それに地球での悟空たちとの戦いの中では、同胞のナッパが大ダメージを負って役に立たなくなると情け容赦なく殺害し、切り捨てる冷酷さを見せた。
この時点では“とんでもない極悪人”という印象しかなかったベジータだが、ナメック星での対フリーザ戦で悟飯たちと共闘。その後は地球の西の都に移り住み、ブルマとの間に子どもまで生まれる。人造人間やセルとの戦いでは、もはやベジータは地球を代表する戦士のようなポジションにおさまっていた。
ただし、魔人ブウ編ではわざとバビディの策略に乗り、天下一武道会の会場にいた観客数百名ほどを殺戮。とうとう本性をあらわしたかのようにも見えたが、あれは全力の悟空と戦うための土台作りだったのだろう。このときのベジータならドラゴンボールで観客を復活させられることも知っているはずなので、いきなり悪の心が蘇ったワケではないと思われる。