■まるで味方の決めゼリフのような「Hail 2 U!」
死んだと思われたアヴドゥルが再登場したのは紅海の小島でのこと。このときポルナレフに3つの願いを叶えてやろうと近づいたのが「ジャッジメント」というスタンドだった。人間の「心からの願い」を土に投影し実体化させるジャッジメントは、「Hail 2 U!(君に幸あれ!)」と言っている様子が印象的なキャラクター。言葉だけ聞けばカッコよくて前向きな決めセリフだ。原作コミックスの荒木氏の手書きのフォントも、まるでアメコミのようにポップでかわいらしい。
結果的には敵であったが、この願いを叶えてくれるスタンドをうまく使えば、みな幸せになれたかも?
■美しかったスタンド使いの本性
最後は、相手に磁力を帯びさせるスタンド「バステト女神」を操るマライア。エジプトのルクソールにてジョースター一行を迎え撃った。
第3部では非常に珍しい女性スタンド使いで、貴重な美女枠として読者に強烈なインパクトを与えたマライア。褐色の肌に赤い頭巾、ジョセフいわく「脚がグンバツ」でセクシーな見た目だが、自分が不利な状況になると顔が崩れ「このビチグソがぁ〜っ」と相手を口汚く罵る。とてつもなく恐ろしいキャラだった。
原作コミックスではちょうどこのシーンで話が終わるため、次話でもマライアの変顔が冒頭で新たに描き直された。ほぼ白目の瞳、汗と鼻水まみれの顔、握り締めた拳からは悔しそうな感情がひしひしと伝わってくる。悔しいことがあったら、崩れた顔ごとマネしてストレス発散してみよう。
敵キャラクターたちもみな個性的な『ジョジョ』の世界。彼らの早すぎる退場が悔やまれるばかりだ。