■『ジャンプ+』で読める『約ネバ』白井カイウの原点

 最後は『約束のネバーランド』の原作者である白井カイウ氏の作品。白井氏は『ジャンプ+』でデビューした作家だ。

 デビュー作である、2015年6月に配信された『アシュリー=ゲートの行方』(作画・Rickey氏)は、臓器移植を受けた少年の記憶に関する謎を描いたサスペンス作品。『約束のネバーランド』とはジャンルは異なるものの、こちらもダークな世界観となっている。

 こちらはまるで海外のミステリードラマのような作りとなっている。何が嘘で何が真実か、誰が主人公を騙そうとしているのか、ついページをスワイプする手が止まらなくなってしまう。

 一方で、『約束のネバーランド』でコンビとなる出水ぽすか氏との作品である『ポピィの願い』と『心霊写真師 鴻野三郎』(こちらは『約ネバ』連載後に『ジャンプ』本誌に掲載された作品)は少年誌らしいワクワクに満ちた作品。どの作品も全く毛色が違うので、これらの作品群を読むと出水氏の引き出しの多さに驚くことだろう。

 多様な魅力を振りまく『ジャンプ+』の作品たち。ここから、漫画で世界を変えるスターも生まれそうだ。

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