■「バスケット選手になっちまったのさ…」

 後半残り4分59秒、山王のエース沢北の怒涛のオフェンスにより19点差をつけられて苦しむ湘北。しかし、エース流川楓が「パスをする」という新たな武器を身につけ、沢北との1on1の突破口を開こうとしていた。

 2本のパスを布石にした流川は、ついに沢北を抜くことに成功。しかし、流川からのパスをもらおうとシュートコースにいた花道は、味方の流川と激突してしまう。

 流川は「おめーのヘマはもともと計算に入れてる……つっただろど素人」と言い放ち、これに怒り心頭の花道。以前の花道ならブチギレてもおかしくない状況だったが、自分の頬を両手でつねって怒りをこらえた。

 それを見守る桜木軍団は「試合なんかカンケーなしに、あいつ…大人になったな」ともらしたが、花道の最大の理解者である水戸洋平は「いや…そうじゃねえ……バスケット選手になっちまったのさ…」と感慨深そうにつぶやいた。

 一緒にワルをしてきた不良仲間の花道がバスケットマンとして成長していくのを見守り、全力で応援してきた桜木軍団の面々。間違いなくこの名作にはなくてはならない存在だと感じたシーンだ。

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