ラオウの「新血愁」を真似て恐怖に震えた…『北斗の拳』ごっこで実際に試した「経絡秘孔」4選の画像
ゼノンコミックス『北斗の拳』第1巻

 80年代を代表するバトル漫画と言えば、当時の『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載していた『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫)を真っ先に思い出す。端的に説明するなら、北斗神拳の伝承者であるケンシロウがさまざまな強敵と死闘を繰り広げる物語だ。

 主に北斗神拳では、秘孔と呼ばれる急所を突くことで敵を倒したり、人体を強化することなどが可能。秘孔を突かれた敵が「ひでぶっ!!」や「あべし!!」といった独特の断末魔を残し、爆発するシーンは強烈な記憶として残っている人も多いことだろう。

 そんな『北斗の拳』の登場人物に憧れた少年時代。同級生の間では当然のように「秘孔を突く」遊びが流行した。そこで今回は、作中で708あると言われる秘孔の中で、とくに子どもの頃に真似をした4つの秘孔にまつわる思い出を振り返ってみたい。

■ラオウが突いた秘孔「新血愁」

 北斗四兄弟の長兄であるラオウが、南斗水鳥拳の伝承者であるレイの「新血愁」という秘孔を突く場面がある。この秘孔の位置はちょうど“みぞおち”のあたりで、ここを突かれると徐々に苦しみながら、3日後に全身から血を噴き出して死ぬという残酷な秘孔だ。

 すぐに殺さず、やがて確実に訪れる死と向き合わなくてはならないという恐怖。レイは次第に増していく苦痛と戦いながらも、愛するマミヤの因縁の相手・妖星のユダを倒す。そして命が尽きる最期の瞬間は誰にも見せず、レイは天に旅立っていった。そのドラマチックな展開を生み出した「新血愁」という秘孔に目が行ったのは必然だった。

 何より「新血愁」は、みぞおちという分かりやすい位置にある秘孔だったのも大きい。友だち同士で突き合い、おふざけで「はい、寿命はあと3日ね」などと盛り上がったのを思い出す。

 そして、たまたま強く突かれたあとに少し痛みがあり、「本当に寿命があと3日になってしまったのでは……」と恐ろしくなったことが忘れられない。もちろん何事も起こるはずはなく、あれから数十年が経った今もみんなピンピンしている。

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