■「もぎもぎもぎもぎもぎ」

 最後もコミックス12巻から、炭治郎流のストレス発散法(?)を紹介。霞柱の時透無一郎の「柱の時間と他の人間の時間の価値は違う」といった無慈悲な正論に、炭治郎は「こう…何かこう…すごく嫌!! 何だろう 配慮かなぁ!? 配慮が欠けていて残酷です!!」と感情論で食ってかかった。もちろん時透の言っていることが正しいと分かっていながらも、人に対して優しい炭治郎は他者を軽視する時透の姿勢が許せなかったのだろう。

 手の指をワナワナとさせながら、言葉にならない怒りをどうにかしようとする炭治郎。そのコマで、彼の指の動きに添えられていた擬音は「もぎもぎもぎもぎもぎ」という変わったものだった。ここで怒りにまかせて剣を抜かず「もぎもぎ」に留めた炭治郎は大人だったが、誰しも日常生活の中で正論に対して言葉にできない怒りを覚える場面があるはず。

 どうしても「何か嫌だなぁ」「配慮がない」と感じたときは、われわれも「もぎもぎ」に込めて怒りをぶつけてみてはいかがだろうか。

 いつもは泣き言を言わない炭治郎の人間らしい一面や、ちょっとズレた一面から出たこれらの名セリフ。炭治郎の天然さや素直さを見習って日々を過ごしたいものだ。

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