『美味しんぼ』ちょっと真似してみたい“レシピ&マナー”3選「リンゴスイーツ」「お箸の作法」「シンプルな味噌汁」の画像
画像は『美味しんぼ』(小学館)第48巻・書影より

 累計発行部数1億3500万部を記録する大人気グルメ漫画『美味しんぼ』(小学館)。本作は、新聞社に勤める主人公・山岡士郎と同僚の栗田ゆう子が、同社の100周年記念事業「究極のメニュー」作りを通して、人々が抱える悩みを「食」の力で解決していく物語だ。精緻な筆致で描かれる食のシーンや、士郎の父親である美食家・海原雄山と繰り広げる料理対決は圧巻で、数あるグルメ漫画の中でも不動の人気を誇っている。

 作中では高級食材を使用した料理や珍しい海外料理など、バラエティ豊かなメニューが登場するが、時には思わず真似したくなるような不思議な魅力を放つ内容も……。そこで本記事では『美味しんぼ』の中で、つい試したくなった料理法や食事マナーを紹介していく。

■林檎の皮を煮た湯で作るアップルティー

 コミックス14巻に収録された「母なるりんご」というエピソードに登場するメニューは、タイトル通り林檎を使用した「アップルパイとアップルティー」。このセットを好むのは、栗田さんの大学時代の友人みな子の恋人・青沢。いつもカフェでアップルパイとアップルティーを頼んでは「マズイ」と文句を言い、さらには結婚に対しても否定的な姿勢を見せて、彼女を不安にさせる。だが実はこのメニューに対するこだわりの裏側には、彼のトラウマが隠されていた。

 幼少期、両親の離婚を機に母親に捨てられた過去を持つ青沢は、大人になった今も心の傷が癒えず。母を憎む一方、昔作ってもらったアップルパイとアップルティーの味に恋焦がれていた。

 その後、当時のことを謝りたいと突然姿を現した実の母親に対し、拒否反応を示した青沢だったが、母親が作った懐かしのアップルパイとアップルティーをきっかけに2人は和解する。

 母親のリンゴスイーツの味の秘密は、林檎の品種「紅玉」を使う点にあった。昨今人気のある甘みが強い林檎ではなく、昔ながらの酸味が強い紅玉を使うことで、青沢曰く「すっぱさと甘さの調和が見事にとれた濃密な味」になるという。

 また、パイと一緒にふるまわれたアップルティーは紅玉の皮を煮た湯で淹れたもので、思わず漫画から良い香りが漂ってきそうなほど魅力的に描かれていた。アップルパイを作った際には、ぜひ一緒にトライしてみたい一杯だ。

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