道枝駿佑主演で実写ドラマ化! 漫画『金田一少年の事件簿』思わず犯人に同情した「切なすぎる事件」3選の画像
講談社漫画文庫『金田一少年の事件簿』(講談社)File13・書影より

 推理ミステリー『金田一少年の事件簿』は、雑誌『週刊少年マガジン』(講談社)に連載されていた推理マンガ。名探偵・金田一耕助を祖父に持つ高校生・金田一一(きんだいちはじめ)が、祖父譲りの推理力で事件を解決していくというストーリーで、コミックだけでなく歴代の実写版ドラマも大好評。2022年4月からは、五代目・金田一役を演じる「なにわ男子」の道枝駿佑(19)、七瀬美雪役・上白石萌歌(21)、剣持警部役・沢村一樹(54)らが出演する、新たなテレビドラマが放送される。

 そんな『金田一少年』は、巧妙なトリックが用いられた難事件の真相を解き明かしていく内容だが、どちらかと言うと真犯人に共感するようなエピソードも存在。そこで今回は、個人的に悲しすぎる犯人の境遇に同情してしまった3つの事件を紹介したい。

 

※下記内容には『金田一少年の事件簿』に登場する事件内容のネタバレが含まれています。作品未読の方はご注意ください。

 

■異人館村殺人事件

「異人館村殺人事件」は、青森県のとある村で巻き起こった恐怖の連続殺人事件が描かれたエピソード。複数の遺体の一部を切り取り、損壊した遺体を組み合わせることで別の被害者の存在を装うという恐ろしいトリックなどが登場した。

 真犯人は、村のある人物たちに強い恨みを抱く母親により、復讐を行うための殺しの英才教育を施された息子。しかも、その仕上げとばかりに、母親である自分の命を我が子に奪わせる徹底ぶりで、冷酷な殺人マシンを作り上げた。つまり、この事件の真犯人は本人の意思というより、母親が望んでいた復讐を完遂するためだけに連続殺人を実行したのである。

 もちろん真犯人の母親が過去に受けた仕打ちは残酷かつ非道なもので、彼女が殺意を抱いてしまうのは致し方ない。しかし母親が望んだ復讐劇の最中に、自分の愛する女性まで手にかけるという切なすぎる場面もあり、読者としてはとても胸が痛くなるエピソードだった。

■怪盗紳士の殺人

「怪盗紳士の殺人」というエピソードでは、転校した金田一の同級生の女の子が殺人を犯してしまうのだが、その動機や結末があまりに悲しかった。

 ある有名画家にだまされ、ゴースト画家として絵を描かされていたのが、その女の子の父親。その有名画家は、名前は知られていないが才能のある父親の絵を自らの作品として販売し、巨万の富を得ていた。しかし、代作家をさせていたカラクリが本人にバレると、薬物を用いて口を封じ、やがて死に至らしめる。その真実を知った娘が、有名画家やその仲間への復讐を決意するという内容だった。

 女の子は復讐を成し遂げたあと、動機や犯行の一部始終を金田一たちの前で自白。それを言い終えると自らの体に刃物を突き刺した。そして死を迎える直前、女の子は金田一の耳元で何かを告白する。学校でイジメられていたところを金田一に助けられた少女が最期に何を伝えたのかは分からなかったが、その言葉を想像するだけで切ない気持ちになる。

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