『週刊少年サンデー』(小学館)が創刊されたのは、『週刊少年マガジン』と同じ1959年3月のこと。当時は火曜に発売されていたが(現在は毎週水曜日)、初代編集長が「まるで日曜日のように楽しい気分にひたれるように」という願いを込めて「サンデー」という名前をつけたという。
『サンデー』の特徴といえば、同じ作者によるヒット作品が多数存在すること。高橋留美子氏、あだち充氏、西森博之氏、藤田和日郎氏、青山剛昌氏など実力派の漫画家が単なる「一発屋」で終わらないところが他誌にはない強みだろう。また90年代では、『タッチ』や『うる星やつら』などのヒット作が終了し部数が落ち込み暗雲の立ち込めた『サンデー』に若手漫画家が多く台頭し新しい風が吹き込み、多数のヒット作が生まれた時期でもあった。
そこで今回は1990年代の『週刊少年サンデー』をテーマにアンケート調査を実施。40代の男性300名に、90年代当時の連載作品一覧を見てもらい、「一番好きだった漫画」を選んでもらった。なお、1994年の開始から現在もなお連載中の青山剛昌氏による『名探偵コナン』のみ、選択肢から外して調査を行った。(アンケートサイト「ボイスノート」協力)
■シリアス展開とギャグで人気を集めたヤンキー漫画
まず全体の11.3%の人に支持されて第3位にランクインしたのは、1988年から1997年にかけて連載された、西森博之氏によるヤンキー漫画『今日から俺は!!』。
転校をきっかけにツッパリデビューを試みる三橋貴志とその親友の伊藤真司を中心にした痛快ギャグ漫画で、2018年から2020年にかけて賀来賢人&伊藤健太郎主演でテレビドラマ化され再ヒットしたことが記憶に新しい。
選んだ人からは「いまだに思い出し笑いしてしまうぐらい、ギャグのレベルが高かった。今井が閉じ込められる回はやばい」(41歳・男性)、「不良と不良の喧嘩の中に、熱い思いや利他の精神も入っていてカッコ良かったから」(44歳・男性)、「主人公たちと同じ高校生のときに読んでいて面白かった」(46歳・男性)、「伊藤が好きで、髪の毛をマネたりしてました」(46歳・男性)、「ギャグにセンスを感じたから。何より、不良漫画なのに内容が殺伐としていなかったことも好感が持てた」(44歳・男性)という意見が寄せられた。
不良漫画といっても、明るいテンションで楽しい日常を送る三橋&伊藤の青春に憧れた人が多かったようだ。