■カードゲーム+謎解き+サイコホラーという異色作

 本作はまずゲームを始めると、昔なつかしのPCゲームのようなオープニングからスタート画面が映し出されます。そして、ゲームを始めようと思うのですが、なぜか「ニューゲーム」だけが暗くなっていて選べません。

『Inscryption』プレイ画面より

 最初はとまどうかもしれませんが、これはバグでも何でもありません。仕方ないので「コンティニュー」しましょう。

 すると、なぞの木造建築の部屋でなぞの男となぞのカードゲームをプレイすることになりました。コンティニューとはいっても、久しぶりの挑戦者とのことなので、きちんとカードゲームのチュートリアルから始まってくれるので一安心。

 では、ここでカードゲームのルールを簡単に説明します。

 プレイヤーは、目の前の場に4枚までカードを出すことができます。また、手札がなくならない限り、1ターンに出せるカードの枚数に限りはありません。カードには0~4までのコストがあり、コストの数だけ場の生き物を犠牲にする必要があります。

 たとえば、コスト0のリスはそのまま場に出せますが、コスト1のオコジョを出すには場の生き物を1匹犠牲にしないといけません。なので、場に誰もいない初手でオコジョを出すには、リスを出してからじゃないと出せない、ということになります。

 基本的には高コストのカードのほうが強力なのですが、1枚強いカードがあればよいというわけではありません。

『Inscryption』プレイ画面より

 4枚のカードが置けると説明しましたが、その4枚はそれぞれ直線上の敵と相対します。目の前に何もなければプレイヤーを直接攻撃できるので、積極的に敵を倒していくような立ち回りが重要です。

 そして、何より重要なのが体力の管理。カードゲームの勝敗は、相手と自分のダメージの差が6以上になったときに決します。つまり、相手に与えるダメージを上げることと同じだけ守りも重要なのです。

 この駆け引きが面白く、複雑そうで意外とシンプルなこのカードゲームの部分だけでも十分に楽しめます。

『Inscryption』プレイ画面より

 さて、肝心のカードはどのように集めるかというと、なぞの男が用意したボードのコマを進めていくことで、特定のマスにとまると手に入ります。

『Inscryption』プレイ画面より

 1マスずつコマを進め、そのマスごとのイベントをこなしながら敵を倒していき、ボードをクリアすることが「目的のよう」です。

 なぜ「目的だ」と言い切らないのかというと、このゲームが「コンティニュー」だから。つまり、ゲームが始まって、なぞの男とカードゲーム+ローグライクみたいなボドゲを遊んでいるけど、そもそもこれはなぜやっているんだ? という「始まりの部分」は説明されていないのです。なんかしゃべりかけてくるカードもあるし。

『Inscryption』プレイ画面より

 さて、ある程度話を進めていると、なぞの男が「席を立って気分転換でもしてみたらどうだ」的なことを言うので、席を立ってこの部屋を見学してみることにします。

『Inscryption』プレイ画面より

 立ち上がって周りを見渡してみると、なにやら怪しげなものがそこかしこにあり、どうやら一筋縄ではいかなそうです。おそらくここから脱出しないといけないような不気味な雰囲気を感じるのですが、肝心の手掛かりがなかなか見つかりません。そんなときは、しゃべりかけてくるカードを集めて、彼らの声に耳を傾けましょう。きっとなにかヒントがあるかもしれません。

 と、いった感じのゲームです。どうです? 全然意味分かんないでしょう?

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