■本当の意味でクリスマスを祝う「珍エピソード」

 中村光氏の『聖☆おにいさん』(講談社)は、世紀末を無事乗り越え、下界(日本)で休暇中のブッダとイエスの日常を描いた物語。そのコミックス2巻に、クリスマスをモチーフにしたエピソードがある。

 下界で盛り上がっているクリスマスのことを、「サンタクロースがトナカイでの飛行に成功した日」と勘違いしているイエス。ほかにも仏像をクリスマスツリーに見立てて飾りつけを行うなど、いろいろ誤った知識を持っており、クリスマスが自身の誕生日を祝うイベントだと気づいていない。

 一方ブッダは、イエスに誕生日のサプライズドッキリをしかけようと画策。25日がイエスの誕生日だと思い出させないよう四苦八苦しながら、パーティの準備を開始するという内容だった。

 本来の意味で“クリスマスの主人公”の誕生日話が描かれたのは『聖☆おにいさん』ならでは、と言えるだろう。

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