『ガンダム作品』“アムロ・レイ最強説”に一石を投じる「過小評価されがちなパイロット」『機動戦士ガンダムF91』シーブック・アノーの強さを徹底分析の画像
U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ『機動戦士ガンダムF91』パッケージより

 ガンダムファンの間で、幾度も繰り返されてきた「最強パイロット論争」。さまざまな作品がある中で、ファンの数だけいろんな意見があると思いますが、宇宙世紀のテレビアニメシリーズの主人公「アムロ・レイ」「カミーユ・ビダン」「ジュドー・アーシタ」の3名が最強候補に挙がることに文句のある人は少ないはず。本サイトがガンダムファンを対象に実施した最強パイロットに関するアンケート調査でも彼らは上位に入り、「アムロ・レイ」は圧倒的な1位に支持されていました。

 もちろんアムロ、カミーユ、ジュドーらの強さに異論はないのですが、もしかすると「彼らに匹敵する潜在能力があるのでは……」と思わされる人物が存在するのも事実。そこで映像作品を見たうえで、個人的に「もっと評価されてもいいのでは?」と感じた、宇宙世紀を代表するパイロットをピックアップ。その理由について解説していきたいと思います。

■異常すぎる初陣を飾った「センスの塊」

 最強パイロット候補の筆頭に名前の挙がるアムロ・レイですが、彼とよく似た初陣を飾ったパイロットが、映画『機動戦士ガンダムF91』の主人公シーブック・アノーです。

 アムロはマニュアルをチラッと眺めただけでガンダムを起動し、初の実戦で2機のザクを撃破。これだけでも十分驚異的な戦果なのですが、シーブックの初陣はアムロを上回るほどの強烈なインパクトがありました。

 シーブックは工業科の高校生で機械の知識はあったとはいえ、モビルスーツの操縦はもちろん初めて。実際F91での初出撃時は、壁にかけられたライフルをつかむのもおぼつかない様子でした。

 そんなシーブックが搭乗したF91は、いきなりクロスボーン・バンガードのMS部隊と会敵します。するとシーブックは、デナン・ゲーが発射したグレネードを危なげなく回避。敵機の射撃をビームシールドで防ぎながら、胸部のメガマシンキャノンで即座に反撃します。

 さらにデナン・ゲーが近接戦闘を仕掛けてくると察知するや、ビームシールドを起動。サーベルの攻撃をビームシールドで弾き返し、すぐさまビームサーベルを振りかざしてデナン・ゲーの胴体、それもコクピット付近を斬り裂きました。

 しかも、シーブックが本当にすごいのはここからです。ビルギット・ピリヨの乗る僚機の危機に駆けつけると、デナン・ゾンが発射したショットランサーをF91のビームシールドで冷静に弾き返します。

 そこからF91を宙返りさせるような態勢をとり、上空にいたデナン・ゲー、デナン・ゾンの2機をビーム・ライフルの1斉射で同時撃破、いわゆる「2枚抜き」をやってみせたのです。

 いかに彼の母親の開発したF91のバイオ・コンピュータがシーブックに適していたとはいえ、あまりにもすさまじい、まさに圧巻の初陣でした。

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