■かわいらしさに油断してると、突然とんでもないシーンが
これまたピュアでかわいらしいカップルなんです。彼女は人間、彼氏は幽霊。もちろん青野くんは優里にしか見えないし声も聞こえない。幽霊なので触れられない。ただでさえ初々しい高校生のカップルなのに弊害が多すぎる。
それでも試行錯誤しながら2人は愛を育んでいくのかな? と思っていたのです、最初に読んだときは。でも、かわいい2人だなぁ……と思いながら読み進めていくと突然とんでもない違和感を感じるシーンが。これが冒頭にも書きました「ホラー」が融合して来るのです。
これが本当に新しい! マジで発明レベルだと思います。ちょっと年齢が出てしまうのですが映画『ゴースト』のゴーストとの絡みがガチで怖い的な。うん、これ違うかも。忘れてください。
でもね、本当に何て言うんだろう。「キュン」と「ゾワッ」がこんなにも合うのかと。
相反するものだからこそ癖になってしまうのかな。これぞ究極のギャップ萌えというやつかもしれません。僕は本来ホラーが大の苦手。それでも面白すぎて読み進めてしまう。
全然関係ない話なんだけど今『バチェロレッテ』をBGM代わりに流しながら書いてるんだけど、日本語と英語織り交ぜながら話すのめちゃくちゃ鼻につくわ。そのたびに字幕になるからテレビ見ないといけないんだよ。勘弁してくれよ、格好良いと思ってやってんのかな?
この前居酒屋で隣の席の両方日本人のカップルが英語8割くらい混ぜてしゃべってたけどスベり倒してたよ。英語しゃべれるのは確かにすごいけどそのすごいが自分たちで分かっているがゆえに人より声が1.5倍でかいんだよ。……ごめんなさい急に愚痴ってしまって。大人になるにつれ人をひねくれた見方をしてしまう。でもこの漫画は純粋な思いにあふれまくっているんです。
青春と優しさと純愛と恐怖。まっすぐな優里と青野くんの関係性はもちろん、読み進めていくと出てくるキャラたちも魅力的。
さらにストーリーなんですが、2人の恋愛模様と裏腹にホラーとして1本ドスンと芯が通ってるんですよ。勝手な想像ですがきっと椎名先生はかなりのホラー好きな方だと思います。あとは言葉、セリフ回し。これがめちゃくちゃ独特なのですが刺さる刺さる。そして随所に感じる狂気。これをひとまとめにして、さらにめちゃくちゃ面白くするという。マジでいぶりがっことクリームチーズを合わせたものを初めて食べたときと同じ衝撃を受けました。
この作品、同じ事務所の漫画好き芸人、バイク川崎バイクに薦めたところその日の夜にはLINEで「青野くん、めちゃくちゃおもろい~」と連絡が来ました。お互い漫画はかなりオススメし合うのですがLINEまで来たのは初めてです。おもろい~の「~」だけ本当に少しイラッとしました。
「おもしろい漫画ある?」とよく聞かれるのですが、ここ最近はいつも『青野くんに触りたいから死にたい』を激推しさせていただいているので、少女漫画しか読んでないという方、ちょっと変わった作品読んでみたい方、漫画通の方、誰が読んでも間違いない作品ですので読んだことない方いらっしゃいましたらぜひ読んでみてください、後悔させません!