■6のカジノで聞ける隠れた名曲「ハッピーハミング」

 すぎやま先生は大のゲーム好きでも知られ、ドラクエ4は全員レベル99まであげて裏ボス・エビルプリーストを3ターンで撃破していたり、ドラクエ8は3周クリアしていたりなど、やり込み具合は相当なもの。

 それだけゲームをプレイしていたすぎやまさんだからこそ、「フィールド曲は何度も聞くことになるから飽きないように」といった視点を持って楽曲を作れたのだろうなと思います。

 各シリーズで若干メロディが異なることでも知られる名曲「序曲」は、5分でできたという逸話もあり、その才能とスピードはもはや天才という言葉すら安い響きに感じられるほどです。あの曲5分で作るって……!

 さて、そんな名曲「序曲」が素晴らしいことは言うまでもなくなので、それ以外の曲で僕が心に残っているのは「ハッピーハミング」です。

 ドラクエ6のカジノで聞ける曲で、「トゥトゥットゥットゥットゥトゥトゥートゥ」というハミングが入っているのが特徴。楽し気ながらも大人の社交場のような少しアダルトな雰囲気があり、カジノのネオンが音楽からも感じられるような一曲です。

 SFC版のカジノはスロットもポーカーも少し出が渋く、ほか作品のカジノに比べると「うまみ」はあまりないのですが、それでも何時間でも入り浸ってしまえたのはこの曲の持っているパワーなのかなと思います。

 まさに「何度聞いても飽きない」を体現しているような曲で、聞くたびに小学校の頃にプレイしたドラクエ6の記憶がよみがえるだけでなく、どこか新鮮に感じられる不思議な魅力があります。サンマリーノに到着して、ハッサンがてつのつめを装備し始めるあたりになると、「ああ、ハッピーハミングが聞けるぞ」と嬉しくもなりました。

 ほかにもカジノと言えばドラクエ4の「楽しいカジノ」など、より楽し気な曲もありますが、僕の中では「ハッピーハミング」が一番背伸びしてカジノに来たような感覚があり、心に残っています。もしかしたら、初めて聞いたのが少年時代だったからなのかもしれません。

 みなさんはどのカジノ曲が一番好きですか?

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