■人体の勉強にもなる『はたらく細胞』
そして、第1位に選ばれたのは、人体に存在する細胞を擬人化した『はたらく細胞』だった(22.0%)。
清水茜氏による漫画が原作で、これまでにアニメ化や2.5次元舞台化もされた作品。「人」の体内で年中無休で働いている数十兆個もの細胞のうち主に免疫系の細胞たちを擬人化した物語。病原体をモンスターや怪人として描き、細胞が仕事として彼らと戦う日常を分かりやすく解説してくれる側面もあり、体内での出来事がコミカルに描かれている。
またスピンオフ作品も多数存在し、不健康で不摂生な成人男性の体をブラック企業にたとえ、劣悪な環境で戦う細胞の様子を描いた青年向けの『はたらく細胞BLACK』や、少女漫画誌『なかよし』で連載された『はたらく細菌』など、作風のバリエーションや対象の読者層もさまざま。「自分の体内で実際に起こっていること」を想像して、勉強感覚で読むことが人気の理由のようだ。
選んだ人からは「個別に名前のない細胞たちがけなげだから」(44歳・女性)、「今まで愛着を持ったことがなかったのに、赤血球や白血球と聞くとニヤニヤしてしまう」(19歳・男性)、「自分の体をもっと労ろうと思いました(笑)」(39歳・男性)、「病気や体の反応が分かりやすく説明されていてすごいと思う」(26歳・女性)というコメントが集まった。内容のとっつきやすさが老若男女からの好感を集めている。
擬人化の元となったモチーフは有機物から無機物までさまざまだが、漫画やアニメをきっかけに元ネタやモチーフそのものに興味を持つ人も多い「擬人化もの」。見ればあなたの興味の世界がもっと広がるかも。